埼玉県立秩父農工科学高校(秩父市大野原)森林科学科の生徒10人が10月4日、ウニクス秩父(上野町)で開かれる「チャレフェス」に出店し、外来種「キショウブ」の花を染料に使った「幸せの黄色っぽい手ぬぐい」を販売する。手拭いは課題研究の授業の一環で製作した。
商品開発のきっかけは、同科が8年ほど前から続ける「秩父こども園」(下宮地町)の森の整備活動。造園を専門とする栗原正博教諭の指導の下、樹木の手入れや草刈り、ウッドデッキの施工などを進め、これまでの整備活動は「緑の環境プラン大賞」や「全国造園デザインコンクール」などで受賞を重ねている。
同所で行った生徒の生態調査では、明るい区画で37種、暗い区画で55種の植物を確認したほか、自動カメラでコジュケイ、ハクビシン、アライグマ、タヌキなどの野生動物の姿も捉えた。一方、水路には水辺を好む重点対策外来種のキショウブが繁殖し、在来の水生生物の生育や産卵の阻害になることが分かった。
生態系を守るため、3年計画で駆除に着手。5月から6月にかけて花を摘み取り、7月には株を根から抜き取る作業を行った。駆除した植物を廃棄せず価値あるものに転換しようと、生物や植物に詳しい石井克彦教諭が染料としての活用を助言し、商品化が進んだ。
摘み取った花をペットボトルに入れ、水とクエン酸とともに常温で約1週間置いて染料を抽出。手拭いをビー玉とひもで絞り、染料に約2週間漬け込んで染め上げた。水洗いやアイロン掛け、包装は生徒が役割を分けて進めた。ロゴやパッケージには「学科名の『森』」「小川」「キショウブ」といった活動の要素を反映し、商品説明の文章も添えた。仕上がった手拭いは鮮やかな黄色から落ち着いた色合いまで、一枚ごとに異なる自然な淡い黄色と絞り模様が特徴。
当初は文化祭での販売を想定していたが、高校魅力化コーディネーターを務める神宮一樹さんが、より多くの地域の人に活動を知ってもらう機会として同イベントへの出店を調整し、販路を広げた。当日は生徒がブースに立ち、レジや説明、呼び込みに分かれて対面販売する。生徒は「花を採る作業や、布を切らないようにひもをほどく作業に慎重さが求められた」「一枚ごとに表情が異なる色合いの魅力を感じてほしい」と話す。
出店時間は10時~16時。価格は1枚1,000円で、約190枚を用意する。売り上げの一部は森と水辺の整備管理費用に充てる。