秩父神社から徒歩3分ほどの場所にある飲食店「ユナイテッドスパイス」(秩父市番場町)で水曜限定で営業するタイ料理店「kao(カオ)」がオープンして、8月20日で3カ月がたった。同店は川口市出身で約10年前に家族で東京から横瀬町へ移住した河内香織さんが営む。1日最大15食ほどを目安に、事前予約を中心に受け付けている。
店名の「kao」はタイ語で「米・ご飯」を意味し、河内さんの名前「香織」やハーブの「香り」などを重ね合わせた。タイで購入した石臼に顔を描いたロゴマークには、来店客同士が顔を合わせてつながる場にしたいという思いを込めた。出店当初の5月から7月まではカオマンガイを提供し、今後も約2カ月ごとにメニューを変更していく予定。
8月・9月は「グリーンカレープレート」(1,880円)を提供する。前菜には、いり米「カオクア」をアクセントに使った豚ひき肉とミントのサラダ「ラープムー」を用意する。自家栽培したタイバジルやピーマンなどの夏野菜を使った「鶏とナスのグリーンカレー」に、タイ料理である「ニンジンのヤム」や「トウモロコシのソムタム」、スリランカ料理の要素を取り入れた「ほうれん草のココナツあえ」などの副菜とデザートが付く。ドリンク(各300円)はタイティーのほか、ライチやパイナップルなどタイ料理に合う果物を使った日替わりのフレーバーティーなどをそろえる。
もともとタイ料理が好きだった河内さんは、食材店で出合ったタイのショウガ「カー」やレモングラスなどハーブの香りに魅了され、「さまざまなハーブを使って、豊かな香りを生かした料理を作りたい」と考えるようになった。
昨年9月に創業塾へ通って店舗運営などを学んだ後、本場の感覚を求め、10月にタイへ渡り、友人を訪ねた。現地の料理教室では、生ココナツからミルクを搾る工程や、石臼でスパイスをつぶす際の手の動きや強さ、その場で立ち上る本場の香りをじかに体験したという。帰国後に試食会を開き、味の調整を経て、ユナイテッドスパイス店主の蒲澤惇介さんとの縁で営業を始めた。
横瀬町から訪れた浅見裕さんは「さまざまなタイの食材を使い本格的でありながら、日本人の口に合う味付けになっている。男性でも満足できるボリュームで、また来たい」と話していた。
河内さんは「初営業日は手際が悪く、来てくれた友人にデザートまで出せないまま帰らせてしまい、申し訳なさと悔しさで帰りの車中で泣いた。反省を糧に仕込みを見直し、スムーズに提供できるよう工夫を重ねてきた。タイの現地で感動した洗練された料理やおしゃれな文化を、彩りでも香りでも楽しめる形で届けていきたい。ゆくゆくは住まいのある横瀬で店を出せたら」と話す。
営業は水曜の11時~14時(ラストオーダー)。予約はインスタグラムのDMで受け付ける。秋以降に麺類メニュー導入を検討するほか、今後は秩父地域周辺のイベントにも出店する。