秩父ぶどう組合連絡協議会が8月18日、秩父農林振興センター(秩父市日野田町)で「第11回ちちぶ山ルビー品評会」を開いた。秩父市、横瀬町、長瀞町、皆野町の4市町6組合から、同品種を栽培する農家35戸のうち19戸が出品した。
「ちちぶ山ルビー」は秩父地域限定で栽培するオリジナル品種で、細長い粒で種がなく、薄い皮ごと食べられ、歯切れよくパリッとした食感が特徴。同協議会は今年、全国的な認知拡大を目指すクラウドファンディング(CF)を実施し、その返礼として支援者7人が一般審査員を務めたほか、PR活動を1年間担う「初代ちちぶ山ルビー大使」も審査に参加した。同協議会ちちぶ山ルビー部会長の青木信之さんは「今年は日照に恵まれ、夜は適度に気温も下がったことで条件が良かった。色乗りが良く、糖度も高い。非常に出来が良く豊作」と手応えを口にする。
審査に先立ち、同センターの職員が評価の着眼点を説明し、審査員全体の目線合わせを行った。その後、審査員は会場に並べられたブドウの周りを巡り、色合いや形、病害虫の有無などを確かめた。審査では、10段階のカラーチャートのうち5~7を中心とした均一な着色か、先がとがった果粒か、粒の形状が良く、大きさがそろった房姿かといった外観に加え、17度以上の糖度や食感などを総合的に評価した。同じ房でも部位によって糖度や味わいが異なるため、審査員は同じ房の肩や尻などから複数粒を食べ比べ、食味や食感の違いを慎重に確かめて採点した。
川越市から母娘で一般審査員として参加した乾さん親子は「ちちぶ山ルビーの名称が決まった2007年ごろから毎年買っているが、複数の農園のものを食べ比べるのは初めて。農園によって味や食感が違うことに驚いた。生産者が高みを目指して丁寧に育てていることが伝わる。このような食感と味わいのブドウは他になく、別の品種とは代えがたい。ぜひ多くの人に秩父の現地に来て味わってもらいたい」と振り返る。
初代ちちぶ山ルビー大使を務める神奈川県在住の会社経営者、岩見淳也さんは、長瀞町の果樹農家と縁があり、毎年購入している同品種ファンの一人。果物好きが高じて今回のCFを通じて大使に応募した。岩見さんは「スナックのように何粒でも食べられる上品な甘さがある。生産量が限られ手に入りにくい希少なブドウだからこそ、ブランド価値を損なわない広め方を考えていきたい」と話す。
審査の結果、最高賞の埼玉県知事賞には新井範さん(秩父市)が選ばれた。このほか、秩父農林振興センター所長賞に武内晃さん(皆野町)、秩父市長賞に小亀博司さん、秩父郡町村会長賞に内田善之さん(以上、秩父市)、秩父観光農林業協会長賞に福島忠男さん(長瀞町)、ちちぶ農業協同組合長賞に小川登徳さん、奨励賞に新井清久さん(以上、秩父市)が、それぞれ入賞した。
ちちぶ山ルビーは各農園での直売が中心で、販売は9月上旬ごろまで。