2代目の秩父橋「旧秩父橋」(秩父市阿保町)が土木学会の2026年度「選奨土木遺産」に認定された。秩父市が10月20日、定例記者会見で発表した。
旧秩父橋は、初代の老朽化に伴い1931(昭和6)年5月に架け替えられた。荒川に架かる三連の鉄筋コンクリートアーチ橋で、橋長は134.6メートル、有効幅員は6メートル。県内では初期の大型コンクリートアーチ橋で、1999(平成11)年3月に、初代の橋脚・親柱と共に県の有形文化財に指定されている。
市によると、旧秩父橋はアーチの形を保つことで橋全体のバランスを支える構造で、昭和初期の橋として技術力の高さが評価されたという。現在は市が管理し、橋上公園の遊歩道として地域住民の生活道や通学路に使われているほか、江戸巡礼古道にもなっている。
初代の秩父橋は1885(明治18)年に架けられ、現在は橋脚と親柱が残る。3代目は1985(昭和60)年に架けられた県管理の斜張橋で、国道299号の橋として使われている。旧秩父橋の周辺では、3代にわたる秩父橋を一度に見ることができる。
選奨土木遺産は、歴史的な土木構造物の保存を目的に、土木学会が2000(平成12)年に設けた制度。今年は全国で20件が認定され、累計は570件となった。県内では15件目。土木学会が9月24日に決定し、11月18日の「土木の日」に認定書を授与する。
今後は認定を受け、土木学会から届く銘板を橋の近くに設置する。架設から95年がたつが、市は5年に1度の定期点検で傷んだ箇所を早期に見つけ、一般的に架け替えのめどとされる100年を超えても使い続けられるよう管理していく。
旧秩父橋は、今年15周年を迎えたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の舞台としても知られ、橋の上には秩父を舞台にしたアニメ3部作のマンホールも設置している。毎年、夏休みに多くのファンが訪れることから、今年も6月に「お掃除大作戦」を行い、全国から集まったファンがボランティアで橋や周辺の除草、木の伐採などを行った。
清野和彦市長は「地元の方々にとってなじみ深い場所で、アニメの舞台としても有名。大切な橋が改めて土木学会に評価されたことは、地域として本当にうれしい。アニメツーリズムの場所としても、既にいい場所になっている。この大切な遺産を守りながら活用していきたい」と話す。