横瀬小学校(横瀬町横瀬)で10月20日、「埼玉いちご大学」が出張授業を行った。5年生児童47人が参加し、埼玉県産オリジナル品種のイチゴ「あまりん」を使った新しい商品企画のワークショップに挑んだ。
「埼玉いちご大学」は、県の地域活性化事業として3年目を迎えるプロジェクト。制作会社「スキーマ」(東京都渋谷区)や同町の地域商社「ENgaWA(エンガワ)」、デザイン事務所「malme.design(マルメ デザイン)」(同、横瀬)らのメンバーが携わっている。
昨年は当時の5年生(現6年生)がイチゴを使った焼き菓子の販売方法を考えたが、今回は「イチゴを使ってどんな商品が作れるか」をテーマに、5年生が食糧自給率や地産地消を学ぶ社会科授業の一環として商品アイデアを一から考える内容となった。
授業の冒頭、講師を務めたスキーマ取締役の橋本健太郎さんが、ヘタで染めたハンカチや「いちご塩」などの既存商品を紹介した。いちご塩を試食した児童からは、「しょっぱいけれど、粒に当たるとイチゴの味がする」といった感想が聞かれた。橋本さんは「イチゴは食べる・飲むのはもちろんとして、色や形、香りを生かせば文房具や雑貨、おもちゃなどにもなる。新しいアイデアは、何かと何かを組み合わせることで生まれる」と発想の手順を解説した。
その後、児童たちはアイデアシートに向かい、「あまりんの特徴」と「自分の好きなもの」をかけ合わせて新しいアイデアを探った。それぞれがアイデアを練る中で、学校支給の端末を使ってネット検索をしたり、生成AIが出力した画像を参考にしたりしながら自らの手でシートに描き起こす姿も見られた。
シート完成後は机上に各自の作品を並べて互いに見て回り、赤ペンで「いいね」のマークを書き込む展示会形式で共有。その後の全体発表では「いちご塩ラーメン」「いちご型花火」、ペット用の衣服などのアイデアがモニターに投影された。
橋本さんは「日常の楽しい記憶を大事にして組み合わせることで、世の中にない面白いものが生まれる。AIを使いながら児童がさらに手で描き起こして膨らませていく姿に驚いた。頭に残りやすい言葉選びを意識すると、さらに魅力的な商品になる」と話し、マルメ デザインの吉田武志さんは「AIであろうと、手描きであろうと、作っている本人の楽しさが表現に表れていた。楽しんで形にする姿勢は大人にとっても勉強になった」と振り返る。
エンガワの吉村俊也さんは「自分では思いつかない発想ばかりで、本当に売れそうなものもあった。自分ならいくらで買うか、いくらで作れるかという感覚を持てるとさらに面白くなる。あと3カ月でイチゴのシーズンが来るので、楽しみながら新しいアイデアを考えてほしい」と呼びかけた。授業を見守った担任の大久保尚郁教諭は「授業で終わらせず、イベントに足を運んだり、中学校での社会体験活動に参加したりと、地域と関わるきっかけにしてほしい」と期待を込めた。
授業で紹介した「いちごハンカチ」「いちご塩」は、町内の「ENgaWA 駅前食堂」、秩父市内の「じばさん商店」「旅館比与志」、ECサイトなどで扱っている。年明けには新商品「いちごリップクリーム」の発売も予定。