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秩父の飲食店が鹿肉を使った無添加ニャンコメシ ワンコメシに続き商品化

鹿肉はミンチにしてから低温調理し、さらにペースト状にするなど柔らかく仕上げている

鹿肉はミンチにしてから低温調理し、さらにペースト状にするなど柔らかく仕上げている

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 秩父の「秩父フードクリエイツ」(秩父時中町)が4月5日、鹿肉を使ったキャットフード「秩父の板前さんが作ったニャンコメシ」を発売する。2021年に販売を始めた、鹿や猪の肉を使ったドッグフード「ワンコメシ」に続き、シリーズとしては8商品目で、猫用は初めて。

2021年に販売を始めた、ドッグフード「ワンコメシ」

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 社長の福島剛さんは都内の日本料理店や神奈川県の割烹料理店などで10年間修業の後、地元・秩父に帰郷。2006(平成18)年に和風ダイニング「おだし料理と土鍋ごはんの店DAdA(ダダ)」(中町)を開業、2018(平成30)年に秩父郷土料理の店「食彩秩父じんじんばあ」(番場町)を開いた。福島さんは現在も厨房に立ち、料理を振る舞っている。

 昨年7月、ペットフード事業を拡大するため法人化。「ワンコメシ」は自社ECサイトや楽天市場でも取り扱い、秩父市のふるさと納税の返礼品にもなっている。秩父地域を始め、飯能のドッグランなどへも販路を広げ、18店で取り扱われているという。埼玉県と埼玉県物産観光協会が行う「彩の国優良ブランド品認定証」に昨年11月に認定され、害獣駆除の観点からも取り組みが評価され、今年2月で合計1万食を突破した。

 ワンコメシを販売してしばらくした頃、猫好きの友人から「犬用だけではなく、猫用は作れないのか」と話が持ち上がったという。福島さんは「僕は愛犬家で猫は飼ったことがない。猫について友人たちに聞いたり調べたりする中で、猫に必要な栄養素のタウリンを、猫自身が体内で作り出せず、普段の食事やおやつから摂取する必要があることを知った。鹿肉はタウリンが豊富なため、猫にとっても良いものができるのではと思った」と振り返る。

 猫好きの人たちからアドバイスをもらいながらキャットフードの試作を繰り返し、その度に20~30匹の猫に食べてもらい改良を重ねた。猫は犬よりもかむのが苦手なため、鹿肉はミンチにしてから低温調理し、さらにペースト状にするなど工夫したという。無添加で味付けは一切していない。

 「ペットの試食は素直で、食べるか食べないかなので分かりやすい。試食の様子は注意してよく観察した。知り合いの獣医や栄養士にも相談し、栄養価も測定した。鹿肉はタウリンを多く含み、高タンパクで低カロリー。低温調理することで、年を取った猫にも食べやすい柔らかさに仕上げた」と福島さんは話す。

 「ペットはしゃべれないので、人間が食べるものよりも神経を使って作っていて、脂や筋などを全て手作業で取り除いている。これからも生産体制を強化し、愛犬家や愛猫家にもっと知ってもらいたい」と意気込む。

価格は100グラム600円。

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