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映画「狂気山脈 ネイキッド・ピーク」 小鹿野町で試写会・トークショー

トークショーに登壇した(写真左から)平山さん、大場さん、熊谷さん、まだら牛さん、秋本さん

トークショーに登壇した(写真左から)平山さん、大場さん、熊谷さん、まだら牛さん、秋本さん

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 アニメ映画「狂気山脈ネイキッド・ピーク」のパイロットフィルムの試写会とトークショーが3月26日、小鹿野文化センター(小鹿野町)で開催された。小鹿野町主催。

宮本さんと工藤さん

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 同作品は「クトゥルフ神話」の生みの親ともいわれているH.P.ラヴクラフト原作の小説「狂気の山脈にて」の舞台設定をベースに作成したTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)「狂気山脈
~邪神の山嶺~」を制作した「まだら牛」さんが手がけるアニメ映画。2021年に募集したクラウドファンディングでは目標金額の800万円を大きく上回る1億1,930万191円を集めた。

 同イベントが小鹿野町で開催されたきっかけは、同町の元地域おこし協力隊で、現在は移住コーディネーターの工藤エレナさんからの提案。「最近では趣味がきっかけで移住する人が増えており、フリークライミングやボルダリングが小鹿野町へ移住するきっかけの一つになっている。小鹿野町の関係人口を一人でも増やすことは良いことなのではと提案し、無事に実現した」と話す。

 当日は定員200人の会場が満員になった。世代の幅も広く、関東圏からの参加者が多かった。小鹿野町役場の宮本拓さんは「半数以上が秩父地域外の人で、イベントが終わった後に役場の前のバス停にたくさんの人が並んでいたのを見ると、遠くから参加してくれたことを強く実感した」と話す。

 同イベントではパイロットフィルムと制作現場のドキュメンタリー動画を見た後、まだら牛さんや監督の熊谷友作さんなどのスタッフ、プロフリークライマーでもあり小鹿野町観光大使でもある平山ユージさんや同じくプロフリークライマーの大場美和さんをゲストに迎えてトークショーが行われた。

 トークショーでは映画製作のこだわりや、平山さんや大場さんのフリークライマーとしての視点を聞いた監督が真剣にメモを取る場面もあった。「絵の一枚一枚にリアリティーと美しさ、山の壮大さ、イラスト以上に引き込まれるのを感じた。山を登る動作一つ一つがきれいで、リアリティーがある。この作品を見てクライミングを始める人がいたらうれしい」と平山さん。大場さんは「アニメをきっかけに山登りなどのアウトドアを知ってもらうきっかけになれば」と話す。平山さんや大場さんは普段でも小鹿野町にある二子山に登りに来ているという。

 まだら牛さんは「5年、10年かけてもいいので、アニメを作り上げて『狂気山脈』という作品を登り切りたい。自分一人ではできないし、愛着を持って今まで自分の作ったゲームをプレーしてくれた人たちのおかげ。この作品を作り上げることが自分の夢だが、みんなにとっても映画の完成が夢になれば」と呼びかける。

 イベント発起人の工藤さんは「『小鹿野を秘境から魔境へ。』というキャッチコピーを提案し、無事に開催することができ、実際に夢を語っているまだら牛さんたちを見て、一緒に参加している気分になれるイベントだった。自分も夢をどんどん語っていきたい。小鹿野の子どもたちにとっても、子どもたちが好きなアニメやゲームを真剣に作る大人たちを見て、そのことが世界に羽ばたくきっかけの一つになれば」と話す。「話を進めているうちに小鹿野町の副町長もクトゥルフ神話が好きということを知り、意外なことを知ることができて面白かった。この作品ができ上がることが、小鹿野町のPRにつながれば」とも話していた。

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