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蓄音機の音色、山間に響く 栃本「湯屋 月」で演奏会

演奏会で使われた蓄音機

演奏会で使われた蓄音機

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 秩父の栃本地域で活動を行う「栃本ふるさとプロジェクト」が3月30日、「湯屋 月」(秩父市大滝)で初となる「蓄音機演奏会in栃本」を開催した。

オヤビン佐藤さんと、山崎さん

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 同団体は奥秩父の山村、栃本に「あなたの・わたしの第二のふるさとを創りたい」という思いで、畑の開墾やワイン造り、自然を活かしたイベント開催、一棟貸しの古民家やカフェなど、さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

 会場となった「湯屋 月」は、今年2月にオープンした、雁坂嶺や栃本の畑を一望できる公衆浴場。ホールには地元民を中心に約20人が集まり、蓄音機演奏家のオヤビン佐藤さんの解説を聞きながら、蓄音機のアナログの音の響きを楽しんだ。

 佐藤さんが持参したイギリス製蓄音機は電気を一切使わず、動力は手回しゼンマイ式。鉄製の針を1~2曲ごとに交換しながら、SPレコード盤を再生した。1920~1950年代に録音されたジャズ、シャンソン、流行歌などがかけられると、「予想以上に豊かな響きに驚いた」「昔、父が蓄音機でレコードをかけていたが、子どもは触らせてもらえなかった。懐かしい思い出」などの声が聞かれた。

 併せて、同プロジェクトが所有していた蓄音機2台も展示。そのうち1台は当日佐藤さんがメンテナンスして再生可能な状態まで復旧し、この蓄音機でも数曲を再生した。

 同団体の元秩父市地域おこし協力隊の山崎知彦さんは「この湯屋で、風呂から出てリラックスするときにお客さまに聴いてもらいたい音はこれだと思った。秩父にはこういった宝物がたくさん眠っているはず。これがきっかけでまた出てきたらいい。そうすれば、持ってるレコードを持ち寄って聴き合うこともできる。秩父の文化が豊かになっていくきっかけになれば面白い」と話す。

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