食べる 見る・遊ぶ 買う

秩父の「だがしやたいへい」が1周年 「たい平美術館」と併せて楽しんで

被り物の花輪をかぶる宮前さん

被り物の花輪をかぶる宮前さん

  • 52

  •  

 秩父の駄菓子店「だがしやたいへい」(秩父市東町)が7月22日で1周年を迎えた。秩父出身の落語家林家たい平さんの姉の宮前早苗さんが店主を務める。

オープン時の記念写真

[広告]

 同店オープンのきっかけは、宮前さんの父・田鹿喜作さんが営業していた「タジカ洋服店」閉店後、母・ツヤ子さんが2004(平成16)年ごろから、「だがしやたいへい」を営業していたことから。

 宮前さんは「母が営業していた頃は店内に小上がりがあったので、学校帰りにたくさんの子どもにお菓子をあげたり、ブタメンにお湯を入れて食べたりしていた。お母さんたちも友達同士で集まり、さらに『落語家のたい平の母』に会いに来るために来たというお客さんもいて、とにかくにぎやかだったのを覚えている」と振り返る。

 ツヤ子さんが亡くなり、同店は2018(平成30)年にいったん閉店。その後、「この場所を守りたい、秩父に遊びに来てくれた人に何かもう一つ楽しんでもらえる場所にしていきたい」というたい平さんの声がけで、建物の2階を「たい平美術館」として週末に開き、宮前さんが美術館の管理をしながら、1階に「だがしやたいへい」を再度開くことになった。

 「美術館を主に、たい平のファンはもちろん、地元の人も来るし、この店を始めてから会いに来てくれる友達も多く、ここ一年で人生が凝縮しているようだった」と宮前さんは話す。「母が営業していた頃に遊びに来ていた子どもが、成人になって改めて買い物に来ることもあるので、店を引き継いだんだなと感慨深いものがある」とも。

 1周年の祝いに娘たちと駆けつけた東町在住の笹野さんは「いつも子どもが世話になっていて、近くに駄菓子屋があるのがありがたい。いつまでも店を続けてほしい」と話す。

 2階の美術館では「笑点」のメロディーが流れる。中にはたい平さんが制作した多くのアートを展示するほか、笑点で実際に使われた座布団やかぶり物、かつてのタジカ洋服店のエンブレムなども展示している。

 「美術館と聞くとハードルは高いかもしれないが、来てもらうと楽しかったと喜んでもらうことも多い。肩肘張らずに気軽に楽しんでもらえれば」と宮前さんは話す。

 「健康に気をつけてこれからも長く営業していきたい。駄菓子屋だけでも来てもらっていい。分かりづらい場所にあるが、西武秩父駅や御花畑駅からも近いので、電車の合間に5分でも10分でも、秩父を楽しんでもらえる場所の一つになれれば」

 営業は金曜・土曜・日曜の11時~17時。美術館の入館料は大人300円(小学生以下は無料だが大人の同伴が必要)。美術館は予約不要だが、広さの関係で少人数ごとの案内になる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース