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横瀬町のログハウス型サウナの構法、「ウッドデザイン賞」受賞

ITaLOG(イタログ)の構造

ITaLOG(イタログ)の構造

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 秩父産材の合板で作った横瀬町のログハウス型サウナの構法「ITaLOG(イタログ)」が10月6日、木を使ってさまざまな社会課題を解決するモノ・コトを表彰する「ウッドデザイン賞2023」の技術・建材分野ライフスタイルデザイン部門に入賞した。横瀬町在住で「TIS」(東京都新宿区)社員の伊藤淳さんが考案した。

クレーンなどで釣り上げなくても、手で組み立てられる

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 ウッドデザイン賞は2015(平成27)年に創設された。木を使うことで社会課題の解決を目指す活動を「ウッドデザイン」と定義。木の良さや価値をデザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し表彰している。

 TISが取り組む「森林資源の循環利用の活性化をIT技術でサポートする」プロジェクト「WOOD DREAM DECK(ウッド・ドリーム・デッキ」を3月から横瀬町で始めた伊藤さん。同プロジェクトは横瀬町の官民連携プラットフォーム「よこらぼ」に採択されている。

 イタログは同プロジェクトのアウトプット第1号として、6月に町内にある一棟貸し宿「ocomori(おこもり)」(横瀬町横瀬)のサウナ小屋を作った構法。合板をCNCルーター(コンピューター制御の加工機)で加工し、パズルのようにパーツを組み合わせ、ログハウスのように壁を組み上げていく。従来のログ構法は一本の丸太からログ材が作られており、部材が高価で重いという課題があった。イタログは小さなパーツを組み合わせて作っていくため、力に自信のない人でもDIYで組み立てができ、一般的な乗用車での運搬も可能。現在は商標と特許を出願中だという。

 合板は「たてラボ」(横瀬)にある「ShopBot(ショップボット)」で加工。ショップボットでは910ミリ×1820ミリ、厚さ24ミリの合板の加工ができる。伊藤さんは「3月にたてラボができたことで、ショップボットを活用して新しい価値が生み出せると思った。木のA材と呼ばれる部位を使う丸太のログ材は高価になるが、ログ材には使われないB材の合板を使って小屋を作ることで、安価な木材の価値を上げることができるようになる」と話す。

 プロジェクトの一環として9月、「オープン&フレンドリースペース Area898(エリア898)」内に、秩父産材の合板でミーティングブースを作った。現在はチャレンジキッチン「ENgaWA(エンガワ)」のテーブルを製作中。「イタログで作ったサウナの評判が良く、販売を予定している。今後もプロジェクトを通じて、地域産材の利用価値を高めて地域の経済活動への貢献をしながら、売り上げの一部を山の植林や育林費用に還元するなど、継続的な取り組みにしていきたい」と話す。

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