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小鹿野町で3年ぶりの「氷柱ライトアップ」 寒さで過去最高の育ちに

氷柱全体と吊り橋が照らされているECOライトアップ

氷柱全体と吊り橋が照らされているECOライトアップ

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 秩父三大氷柱の一つ、小鹿野町の尾ノ内渓谷(同町河原沢)で1月9日から「尾ノ内氷柱」の見学が行われており、22日にライトアップも始まった。この寒さで過去最高の育ちになっている。

太陽が当たり輝く氷柱など(撮影:13時18分頃)

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 同渓谷は両神山(日本百名山)を源流の尾ノ内沢が流れる渓谷。春はシャクナゲ、新緑、トレッキングや登山、秋は紅葉などが楽しめる。2009(平成21)年ごろ、寒さを利用して沢の水を散水して凍らせて「尾ノ内氷柱」が始まった。

 昨年8月くらいから「尾ノ内渓谷氷柱実行委員会」が氷柱の準備を始め、沢の上流約500メートルからホースを引き、危険な箇所の引き付けは「小鹿野クライミング協会」の協力で行った。ホースには穴が開けてあり渓谷の高低差を利用して散水する。実際に散水したのは昨年12月中旬ぐらいから。散水を始めてからは徐々に凍っていくが、今シーズンは寒さが厳しいため、ホース穴の凍結防止の養生もできないまま、すぐ凍り始めてしまった。

 今月9日に見学が始まったが、「この寒さで過去最高の氷の育ちとなっている」という。2020年は暖冬の影響、2021年の氷柱形成は順調だったが、新型コロナ感染症の影響で中止になり、3年ぶりの「尾ノ内渓谷氷柱」開催となった。

 氷柱ライトアップは2012(平成24)年ごろより行っており、およそ10年目。今までは電力会社の電力を使っていたが、2021年1月に小鹿野町の協力で尾ノ内沢の水を利用し、「尾ノ内渓谷マイクロ水力発電所」を設置して約300ワットを発電する。昨年は新型コロナ感染症の影響で氷柱ライトアップはできなかった。

 昼間の見学は渓谷に架かるつり橋から一番滝や氷柱全体が見渡せる。正午頃から2時間ほどは太陽が当たる部分もあり、光輝く氷柱も見られる。日没後にライトが点灯されれると氷柱やつり橋が浮かび上がり、見物人はスマートフォンやカメラに収めている。ライトアップ時はつり橋通行不可。点灯間隔は3分程度で3パターンを設定。駐車場からの道の左側には、尾ノ内渓谷に住んでいる「つららの妖精つららん」の塗り絵を町内のこども園や保育所の子どもたちが塗ったランタンが飾られている。渓谷に続くアプローチには「小鹿野高校竹あかり同好会」製作の竹あかりが展示されている。

 同実行委員会の柴崎照夫さんは「今シーズンは寒さのおかげで氷柱の育ちも良く素晴らしい。昼間の見学者もいつも以上に多くなっている。ライトアップもLEDライト8灯を自前で用意し、電力もマイクロ水力発電でエコライトアップとなっている。ライトアップの色彩もカメラの液晶で確認しながら落ち着いた色合いになるようにし、発電量と色の当たり具合を見ながら調整している」と話す。

開催は2月27日までの8時~16時、ライトアップは2月20日までの土曜・日曜の日没~20時(天候や氷結状況、積雪等により開催期間の変更や中止があり)。環境整備協力金1人 400円(中学生以上)ほか。

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