小鹿野町藤倉の「上郷花の会」が6月6日、藤倉川に面する急傾斜地にヒラドツツジ100本を植樹し、作業後には秩父の郷土料理を囲んで親睦を図った。地元住民ら約40人に加え、森真太郎小鹿野町長、県議会議員も参加した。
上郷地区は矢久峠を境に群馬県神流町と隣接するエリアで、7つの集落(長沢・中平・遠嶽・太駄・宮沢・森戸・矢久)から成る。人口65人、世帯数42軒で、近年は人口減少と高齢化が進んでいる。同会は、上郷地区の全世帯が加入する組織として2021年5月に発足し、「愛する故郷を花が咲く里山として未来に美しく残そう」という目的で活動している。
藤倉川沿いの荒廃地にこれまで、モミジやサクラなど3000本以上の苗木を植樹している。昨年5月にも全国植樹祭を盛り上げる趣旨で、130本のハナモモなどを住民らで植える植樹祭を行った。山あいのため野生動物による食害対策が課題となる中、今回は過去の植樹実績から最もシカの被害に遭いにくいヒラドツツジを選んだ。
活動の基盤には、住民コミュニティー「上郷健交サロン」がある。同サロンは「健康づくり」と「交流」を柱に掲げ、毎週、地区のセンターでスポーツなどを行っている。今回の植樹祭に向けては、事前に穴掘りや肥料の運搬、郷土料理「つつっこ」に使うホオの葉や山菜の採取などの下ごしらえを行った。当日は約1時間の植樹作業の後、地元の女性らが作った郷土料理の「つつっこ」や山菜の煮物を囲み、2時間ほど交流した。
参列した森町長は「この地区は住民の皆さんが自分たちの地域を良くしようと、自ら頑張っているモデル地区。小鹿野町は統計上の人口密度は低いが、人と人とがつながっているという意味での密度は高いと今日改めて誇りに感じた」とあいさつした。
同会副会長の飯塚もとえさんは「おもてなしの料理も、何日も前から葉っぱを採ってくれる人、収穫した野菜や手作りの料理を持ち寄ってくれる人がいて、開催することができた。この地区はやると決まったらみんな協力してくれる」と話す。
同地区では近年、6月中旬ごろから野生のホタルも確認されている。「普段は地区外に出ている子や孫、上郷が『故郷』の人たちに遊びに来てもらって、この地域の良さを改めて感じてほしい」との思いで、27日には地元住民による「ホタルを見る会&コンサート」も予定する。