埼玉県立秩父高校(秩父市上町)で4月10日、新設された「国際教養科」の開設セレモニーが行われた。同校は4月8日に皆野高校と統合して「新校」としての開校式と入学式を挙行したばかりで、今回の学科開設は新たな歩みを象徴する取り組みとなる
前段となる8日の入学式では、壇上に旧秩父高校と旧皆野高校の校旗が並び、その背後に新校の校章が日本国旗や埼玉県章と共に掲げられた。新入生154人のうち、国際教養科へは第1期生として13人の生徒が入学した。
入学式では、旧秩父高校と旧皆野高校の校旗、新校の校章が共に掲げられた
10日に約1時間にわたって実施したセレモニーは、司会から教職員のあいさつ、生徒代表の言葉まで全編を英語で進行 。南アフリカや米ロサンゼルス出身のALT(外国語指導助手)2人をはじめ、国際部や英語科の教職員も英語で自己紹介し、時折生徒へ質問を投げかけるなど実践的なやり取りを交えた。同科は「英語を学ぶ」だけでなく「英語で何を伝えるか」を重視しており、初日から英語のみの環境を整えることで教育方針を明確に示した 。
学科長の大林幸平教諭は学科のロゴについて解説。ロゴのデザインは、上部に同校の「いちょう祭」や校章のモチーフとして地域に親しまれているイチョウの葉を、下部は生徒一人一人の価値観から生まれる「種」を表現しているという。
大林教諭は、教員を太陽や水、時には嵐といった存在に例え、生徒自身が自らの意思で種を育て、それぞれの花を咲かせていくことの大切さを伝えた。担任の嶌田矩晃教諭は「Don't be afraid. Just do it.(恐れずに、ただやってみよう)」と語り、失敗を学びの機会とする姿勢を求めた。生徒たちは真剣な表情で英語のメッセージに耳を傾けていた。
第1期生の小池さんは「中学生の時に秩父市の青少年派遣団でアメリカへ行った経験から、英語を学びたいと考えた。学科のロゴの意味を聞き、興味深かったし、『just do it.』という言葉が心に響いた。やってみなければ次に続くものも生まれないので、この言葉を胸に、3年間を大切に過ごしたい」、宮崎さんは「3歳から英会話を学び、通訳に興味を持っている。先生方から『失敗を恐れないことが近道』と背中を押してもらったので、これからの学校生活に生かしたい」と意気込む。
澁澤隆美教頭は「入学式で皆野高校と秩父高校の旧校旗が並び、新しい校章が披露された光景を見て、歴史がつながったという感動を覚えた。新しい学校に変わったことを実感している」と振り返る。
大林教諭は「今までの準備を経て、ようやく新しく船出したという感慨がある。大変なのはこれから。将来的に英語は今以上に必要になってくる。5月9日に行う『CHICHIKO OPEN SCHOOL』では新学科の授業や改修した校舎の様子を実際に見られる。英語が得意な人だけでなく、苦手でも興味がある人は敬遠せずチャレンジしてほしい」と話す。