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横瀬人形芝居の定期公演で初めて講談導入 物語の3段を連続構成に

(左から)横瀬人形芝居保存会の若林会長と佐野さん

(左から)横瀬人形芝居保存会の若林会長と佐野さん

 横瀬町の横瀬人形芝居保存会は5月10日、横瀬町町民会館(横瀬町横瀬)での定期公演に初めて講談を加え、「狐葛の葉(きつねくずのは)」3段を人形芝居と講談で上演する。定期公演で講談を披露するのは初めての試みで、保存会員の佐野守平さんが2段目を講談で語ることで、これまで省略してきた場面をつなぎ、物語を一日で完結させる。

「狐葛の葉」は、陰陽師・安倍晴明の母とされるキツネの「葛の葉」を描いた物語

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 同演目は、陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明(あべのせいめい)の母とされるキツネの「葛の葉」を描いた物語。本来は「機織(はたおり)の段」「子別れの段」「二度の子別れの段」の3段で完結するが、人形芝居と三味線の説経節(せっきょうぶし)で全てを演じると長時間を要する。中編に当たる場面を講談にすることで上演時間を短縮し、全体の筋書きを地続きにする。

 佐野さんが横瀬人形芝居に関わるようになったのは1996(平成8)年。地区の清掃作業の打ち上げで、同保存会員から声をかけられたのがきっかけ。江戸時代から使われてきた人形に触れられる歴史の重みに魅力を感じ、現在は人形操作と語り、三味線の弾き語りを兼ねる。

 2024年、佐野さんは町内で開かれた講談師・神田伊織さんの「横瀬講談プロジェクト」に参加。神田さんに師事して講談の口調や間合いを習得した。佐野さんの取り組みを見た妻の淳子さんが「講談を披露しては」と同人形芝居の家元・若林新一郎さんへ提案し、今回の企画が決まった。

 講談パートは、舞台上の幕前に釈台を置き、語りと張り扇(はりおうぎ)のみで進行する。本来、説経節で語ると40分近くかかる場面を、講談として15分ほどにまとめた。神田さんから公演に向けて改めて稽古を受け、説経節特有の節回しを抑え、講談らしい語り口になるよう調整を続けている。

 保存会会長で若林家14代目・太夫5代目の家元を務める若林新一郎さんは「説経節を全て講談にするわけではなく、人形芝居と講談を組み合わせる。時代ごとにできる人が、できる形で工夫して残していくのが良い。こうしたコラボレーションも面白い」と話す。

 佐野さんは「人形芝居と人形芝居の間をつなぐのが講談の役割。1段目の解説を入れて、3段目につながる流れを分かりやすく伝えたい。リラックスして見てもらえるように、講談ならではの語り口で少し笑わせるところも入れられたら」と話す。

 13時30分に開演し、途中休憩を挟み16時ごろまで上演。入場無料。

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