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小鹿野町「フレッシュベーカリーアライヤ」 2代目が引き継ぎ10年

「フレッシュベーカリーアライヤ」の前で、(左から)娘の佑紀乃さん、新井伸俊さん、妻の美由紀さん

「フレッシュベーカリーアライヤ」の前で、(左から)娘の佑紀乃さん、新井伸俊さん、妻の美由紀さん

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 小鹿野町の「フレッシュベーカリーアライヤ」(小鹿野町小鹿野、TEL 0494-75-0226)が、初代の新井利夫さんから2代目長男の新井伸俊さんへ引き継がれて、今年で10年がたった。

創業以来のコッペパン5種(コーヒー、マーガリン、ジャム、ピーナッツ、アンパン)

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 1959(昭和34)年に創業した同店は、初代の新井利夫さんが、機織屋(はたや)に勤め、何度か転職後、親戚の熊谷のパン店などで働き、その後に独立したという。

 「開店当初は、店に必要な道具や使う材料を買うために畑なども売って借金も多く、一生懸命に働いた。葬式まんじゅうや結婚式用の内菓子から、朝パンを仕込んだり、団子やかしわ餅を売ったりと、作れるものは何でも作って店を大きくしていった。そのうち、パンが全体的に忙しくなってきたため、パンが専門になった。大手のきれいな包装紙のパンに押されることもあったが、手作りパンがおいしいと客が増え、それ以降は借金をしなくても成り立つようになった」と初代の利夫さんは昭和の当時を振り返る。

 今では、1日におよそ80種類のパンを700個~800個焼き上げる。店頭販売を中心に、地域の会社や役場で販売しているという。客の多くは地域住民が多いが、土曜は遠方や県外からも来るという。

 2代目の伸俊さんの朝は2時に始まり、続いて3時半から妻・美由紀さん、そして娘の佑紀乃さんが忙しい時間に加わり、パン作りが一つ一つ手作業で行われる。佑紀乃さんはパン店へ就職後、アライヤで人手が足りなくなった10年ほど前に戻ってきている。さらに勤務30年近いパートのスタッフ、伸俊さんの妹の裕子さんが加わり、順次パンが店頭に並べられる。伸俊さんの長男の稔基さんも都内の大手パン店で経験を積み、現在も修業中という。

 「廃棄をしない」と伸俊さんは話す。「ロスが無いように季節、天気、温度、湿度、近場のイベントやスポーツ大会の人出などを調整しながら仕込んでもらっている」と美由紀さん。残った場合は地域の学童保育所や介護施設に安く袋詰めをして買ってもらい売り切り、ロスが無いように、廃棄無しにするよう工夫している。自宅兼店舗で廃棄をしないため、価格も抑えて販売できているという。

 営業時間は9時~17時。日曜・月曜定休。

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