見る・遊ぶ 学ぶ・知る

秩父・影森小児童が蚕の飼育公開 「影森学」で地域の伝統文化学ぶ

定規で蚕を測定

定規で蚕を測定

 秩父市立影森小学校(秩父市下影森)が7月3日、総合的な学習の時間「影森学」の一環として、4年生児童が取り組む蚕の飼育活動を公開した。6月から、2クラスの4年生48人のうち代表の児童が交代で、6頭の蚕を飼育している。当日は8時30分から8時40分にかけて、日頃の世話の様子を披露した。

蚕の観察記録

[広告]

 当日は、児童たちが蚕を手のひらに乗せ、真っすぐになった瞬間を狙って定規を当てて体長を測定。当初4センチだった蚕は7.2センチほどに成長した。飼育箱から古い桑の葉を取り除いて新しいものに入れ替えるなど、手際よく世話を進めた。

 4月に同校に赴任した浅見和良校長は、年間を通じて芯が通る探究学習を目指し、3年生以上の総合的な学習の時間で「影森学」を立ち上げた。3年生は「学校の探究」をテーマに校内の梅の木から梅シロップを作る活動などを展開、5年生は秩父市の環境や森林学習、6年生は秩父市の歴史や他地域との違いをそれぞれ探究する。

 浅見校長は、自身の幼少期に親族が蚕を飼っていたことや、母親が地元の絹糸産業に勤務していた背景から、4年生の活動に蚕の飼育を取り入れた。当初は地域の養蚕農家「影森養蚕所」の見学を検討したが、児童全員での訪問が困難なことから、同養蚕所に相談して蚕を譲り受けた。蚕の飼育のため、桑の木が残る親戚の家から、毎日新鮮な桑の葉を自ら調達している。蚕は間もなく繭になる見込みで、今学期中には母親の経験を参考に繭から「糸取り」を行う予定。

 実際に蚕に触れて観察した児童は「最初は虫が怖かった。でも、友達が触っているのを見て触ってみたら、かわいく見えてきた。手のひらに乗せると、ちょっと冷たい」「蚕はかまないから大丈夫」などと話した。

 同校では地域の伝統産業を児童の教育にどう結び付けるか模索を続けており、同養蚕所や秩父銘仙の織元「新啓織物」などとも情報交換を重ねる。浅見校長は「秩父はかつて養蚕が盛んだったが、今では繭を見たことがない子や保護者も多い。蚕に触れる機会自体が失われつつある中で、子どもたちにとって貴重な体験。子どもたちに地域の文化を体験させたい」と話す。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
ALL