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秩父の書道家が美文字練習帳出版 地元書店では特設コーナーも

初の著書を出版した美文字家・書道家の根岸和美さん

初の著書を出版した美文字家・書道家の根岸和美さん

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 秩父在住の美文字家・書道家の根岸和美さんが5月23日、初の著書「みるみるうまくなる9マス美文字練習帳」(あさ出版)を出版した。

ウニクス秩父にある「くまざわ書店秩父店」では特設コーナーが設けられている

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 根岸さんは東京都出身。国学院大学文学部在学中に同大学教授で当時昭和天皇の祐筆を務めていた中島司有先生に出会い、書家の道に進んだ。約40年前、結婚を機に秩父に移住し、長男が2歳の頃に書道教室を始めた。嫁ぎ先の家業「秩父ふたば子ども園」(秩父市中宮地町)でも書道の授業を担当し、13年前からは副理事長として経営にも携わっている。2007(平成19)年から14年間、埼玉県立秩父高校(上町)でも書道を教え、同高書道部を国際高校生選抜書展(書の甲子園)に導いた。

 出版のきっかけは、「人生がときめく片づけの魔法」などの編集を担当した高橋朋宏(通称=タカトモ)さんとの出会いだったという。「出会ったときは彼が日本と米国でミリオンセラーを打ち立てた日本で唯一の編集者とは知らなかった。後日タカトモさんが立ち上げた『ブックオリティ出版ゼミ』の志を述べた熱い文章を読んで魂が震えるほど感動し、落ちることを前提にダメ元で夜通し夢中で課題文章を書いてゼミの1期生に応募した」と振り返る。

 2018年に次いで2021年にゼミを再受講。1回目の受講の時にタカトモさんに投げかけられた「問いをもって生きる」日々を重ね、2回目の受講でタカトモさん・メンターの平城好誠さんとの面談時に、指導に使っているオリジナルのテキストを見せたことで出版テーマが決まったという。「美文字家」という肩書きもタカトモさんが考案した。

 「九宮格(きゅうきゅうかく)という9マスの枠を中島先生の弟子たちは普段から当たり前のように使っていて、まさかこれが珍しいものだと思っていなかった。もともと九宮格は古くから中国で使われている文字の学習法。書店の文字本のコーナーで確認したら4マスのものが主流で『9マスメソッドを使った文字を美しく書くためのテキスト』存在しないことを知った」と根岸さんは話す。「40年の指導の経験から9マスの補助線があると、線の始まりと終わりやバランスが分かりやすい。見本を見ながらの練習がしやすく、上達もしやすいと実感している」とも。

 練習帳はA5サイズで横書き。ひらがな・カタカナをはじめ、ビジネス用語として職場で使う「ご確認お願い致します」「新作入荷しております」や、保護者が子どもの連絡簿に書く「体育は見学させてください」などの短文の他、心が疲れた時に書いてほしい名言なども盛り込んだ。

 根岸さんは「あさ出版の取締役であり編集担当の星野さんとやり取りを進めるうちにどんどん増え、ビジネス用語は110個、名言は40個になった。当初は120ページで2月に出版予定だったが、170ページを超え、5月の出版となった。おかげで締め切りギリギリに大谷翔平選手がWBCで語った心に響く言葉も入れることができた」と笑顔を見せる。

 「柔らかい紙質で、小さめのサイズ。実用的な横書きに特化。装丁はレトロかわいいデザインだが、カバーを外すとシンプルで男性も持ちやすい工夫がされている。くまざわ書店秩父店(上野町)には特設コーナーを設けていただいたので、実物を手に取って購入してもらえたら」と呼びかける。

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