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小鹿野町十輪寺の花まつり 3年ぶりに規模縮小で開催へ

お釈迦様のお姿に甘茶をかけ、甘茶はセルフサービスで飲むことも

お釈迦様のお姿に甘茶をかけ、甘茶はセルフサービスで飲むことも

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 小鹿野町の十輪寺(小鹿野町小鹿野)で5月4日、例年同日に開催している「花まつり」が3年ぶりに規模を縮小して行われる。

十輪寺住職の五十嵐英尚さんとその愛猫

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 花まつりとはお釈迦様の誕生日とされる4月8日に行われる仏教の祝いの行事だが、秩父地域では旧暦に従い5月に行う場所も多く、同寺もそれに倣って開いている。お釈迦様に甘茶をかけて祝ったり、セルフサービスで飲んだりすることもできる。

 同寺で「花まつり」が始まったのは2000(平成12)年。「花まつり」を始めたきっかけは、寺を継いだ五十嵐英尚さんの思いから。昔は同寺でも観音様や仁王様の縁日があったが、寺を継いだ時には祭はなかったという。

 「そもそも若い頃は寺を継ぐのが嫌で逃げていたこともあり、継ぐのであれば何か面白いことをやりたいと思っていた時にインドを旅したことを思い出した。ヒンドゥー教の寺だったが、朝晩に人々は寺に行き、祈る。そこでは大音量でインドのダンスミュージックが流れて毎日が祭りのようだった。真剣に祈る人、家族で参拝して帰りに子どもが菓子をねだる風景、もちろん悲しみや苦しみ悩みのある人、いろいろな人が寺には集まっていた。混沌(こんとん)としていて、忘れられない光景として残っている」と当時を振り返る。

 「寺をやるなら、いろいろな意味で人が集まる寺になればいいなと、どこかで思っていた。そもそも自分は俗っぽい人間なので、何か楽しいことをやりたいと考え、始めたのが『花まつり』。21回目を迎えて思うのは、『花まつり』を通じて人と人がつながっていくのを感じるし、続けて開催することができてうれしい」とも。

 例年はライブ、なんでも市、本堂美術館などを行う。五十嵐さん自身も「たよなひて」というバンドを組んで演奏しているが、今年は新型コロナウイルスのまん延防止対策としてライブは行わず、事前予約の写経と画家の黒川知希さんによるコラージュブックワークショップを行う。いずれも予約制で、先着16人。写経やワークショップに参加しなくても、『花まつり』へは参加できる。

 コラージュブックは、いらない雑誌や折り込み広告などの紙媒体を切り取って、オリジナルのコラージュスクラップブックを作るもの。出店はないが、500円でできるガチャガチャの店「チチブノイリグチ チチブノデグチ」を設置予定。中には秩父の作家の作品などが入っている。

  妻の五十嵐直子さんは「今年は小さく開いて、来年盛大に『花まつり』ができるようにつなげていければ。今は新緑の季節なのでイスやレジャーシートを持ってきてハイキングついでに来てもいい。例年に比べると静かな『花まつり』だが、座ってボーッとするのもいいのでは」と呼びかける。

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