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横瀬・寺坂棚田の米で植物性アイス かがり火まつりに合わせ発売

寺坂棚田で育った米を原料に使った植物性アイスクリーム「たなだあいす」

寺坂棚田で育った米を原料に使った植物性アイスクリーム「たなだあいす」

 横瀬町の寺坂棚田で育った米を原料に使った植物性アイスクリーム「たなだあいす(とろける甘酒&ココナッツミルク味)」が7月4日、同棚田で行われる「横瀬町寺坂棚田ホタルかがり火まつり」の開催に合わせて発売される。

(左から)田端さん、吉村さん

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 商品開発のきっかけは、元町職員の田端将伸さんが西武鉄道の社員から提案を受けたことだった。「たなだあいす」は、植物性アイスの製造販売を通じて全国の棚田保全を目指す「BEAT ICE(ビートアイス)」(神奈川県葉山町)のブランド。製造コストを抑えるためパッケージを全国共通にし、各地域が原材料の米を供給して個別の識別シールを貼る。「全国の棚田をみんなで守る」ことを理念に掲げ、関係者が共感して連携が決まった。アイス1個の売り上げにつき10円を棚田保全寄付金として還元する。

 商品は国内製造の米こうじを主原料とした甘酒風味が特徴。オーツミルクやココナツミルク、きび砂糖、米あめなどを使い、卵や乳製品を使わない植物性(ビーガン)アイスに仕上げた。

 原料の米は、同町の地域商社「ENgaWA(エンガワ)」が地元の農家から棚田を引き継いで栽培したもの。昨年、同社が稲作事業を約1000平方メートルから始め、今年は約3000平方メートルに面積を拡大した。栽培する品種は、夏の暑さや風に強くて丈が低いため倒れにくい「にじのきらめき」を選んだ。

 現場で米作りの実務を担う同社の吉村俊也さんは「昨年は何も分からないまま米作りを始め、当初は500キロほどの収量を見込んでいたが、結果は半分ほどだった。学ぶことは多く、今年は昨年からの学びを生かしながら取り組んでいる」と話す。手作業の多い棚田ならではの苦労に加え、今年は水不足や水漏れの対応に追われている。昨年度に引き続き、西武レクリエーションから地域活性化起業人として同町へ赴任している小泉春人さんと吉村さんの2人がメインとなって、種もみからの育苗、栽培、収穫までの一連の作業を担う。近隣の農家から道具を借りたり、栽培方法を教わったりしながら管理を続けている。

 同棚田では、風景を観光資源として活用する取り組みを長く進めてきた。7月4日に開かれる「ホタルかがり火まつり」は、2007(平成19)年に地域の農家が「自分たちの楽しみのため」と始めた試み。毎年7月に、手作りのかがり火や竹明かりなどで棚田をともしている。当時、役場の観光担当として同イベントに関わってきた田端さんは「思い入れのある祭りに、商品開発という形で関わることができてうれしい。棚田の米を使ったアイスをきっかけに、寺坂棚田の風景を知ってもらい、次世代へつなげたい」と話す。

 吉村さんは「周囲の人たちが棚田のイベントに合わせて草刈りや作業の時期を調整して、観光客に見られる場所だということを意識している。みんなが美しい景観を維持していく意識を持っていて、観光地の農業というのが面白い。米をそのまま販売するだけでなく、アイスという形で新たな価値を付けて提供できる。将来的には日本酒造りへも挑戦したい」と意気込む。

 価格は400円(店により異なる)。ENgaWA駅前食堂、チャレンジキッチンENgaWAやLab横瀬、そのほか、セブン-イレブン秩父横瀬店、武甲温泉、町内の飲食店や宿泊施設などでも順次取り扱う。

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