
「県立川の博物館」(寄居町小園、TEL 048-581-7333)で現在、春季企画展「麦の国さいたま」が開かれている。
埼玉県は米と麦の二毛作が盛んで、収穫量は全国8位、和風麺の出荷額は全国1位の「麦どころ」。同館担当者は「今回の企画では身近な『麦』について紹介している。麦を通して、埼玉県の歴史・文化を感じてもらえれば」と話す。
同展では、熊谷市出身で、現在の麦栽培の基本を全国に普及させ「麦翁」と呼ばれた権田愛三を詳しく紹介している。権田は明治から大正時代にかけて活躍。「麦踏み」「土入れ」など、改良された麦の栽培法を開発し、全国に広めた。3月2日には、やしゃごの権田宣行さんによる講演会「麦翁 権田愛三」も開いた。
約80点の展示では、麦作専用に作られた、土をかき寄せる鋤簾(じょれん)や、鴻巣市からさいたま市にかけての大宮台地西縁で行われた「どろつけ」(洪水で運ばれた肥沃(ひよく)な土を、痩せた土地に運び入れること)などを紹介。うどんやボール、麦茶など麦を原料にした食べ物や麦わら帽子などを並べて紹介している。
3月16日には「どろつけ」の歴史を学ぶウオーキングイベントなどを開くほか、今月19日まではレストラン「ウォーターミル」で深谷市を中心に食べられてきた郷土料理「煮ぼうとう」を提供する。今月20日から会期中いっぱい、麦を使ったスイーツの提供を予定する
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、大人=410円、高校生・学生=200円。5月6日まで。