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秩父の菓子店「パティスリールリアン」がジャパン・ケーキショー東京で金賞

「パティスリールリアン」の山崎利奈子さんとオーナーシェフの正規さん

「パティスリールリアン」の山崎利奈子さんとオーナーシェフの正規さん

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 日本最大の洋菓子コンテスト「2023ジャパン・ケーキショー東京」のデコレーションケーキ部門マジパン仕上げの部で10月30日、秩父の菓子店「パティスリールリアン」(秩父市桜木町)の山崎利奈子さんが金賞を受賞した。

規定サイズ高さ20センチ・直径23センチ以内で世界観を表現する

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 同大会には日本全国の洋菓子作品約1500点が出品され、マジパン作品約200点の中からの受賞で全国3位の成績となった。マジパンは、粉末にひいたアーモンドと砂糖、卵白などを混ぜてペースト状に練り上げた菓子細工。主にケーキの飾りのために人形や動物や花などを表現することが多い。

 利奈子さんは広島県出身。10年ほど前の学生時代からマジパン作品を作っており、同大会の学生部門で全国1位、ジュニア部門で全国2位になるなどの成績を残してきた。同店のオーナーシェフ山崎正規さんとの結婚を機に、3年前に秩父へ移住。「夫はこの大会で全国2位の成績を過去に残している。学生時代から夫のマジパン作品に憧れていて、すてきな作品を作る人だと思っていた。コンクールがきっかけで出会い、結婚に至った」と振り返る。「仕事やプライベートが少し落ち着いたので、夫や店の仲間たちの支えもあり、9年ぶりに挑戦することを決めた」とも。

 7月28日・29日に行われた洋菓子作品展「第9回2023彩の国ケーキショー」に利奈子さんが出場。埼玉県1位の金賞を受賞したため、都内で10月30日~11月1日に開かれた「2023ジャパン・ケーキショー東京」への出場がかなった。

 大会では作品テーマは特に指定されておらず、規定サイズ高さ20センチ・直径23センチ以内で表現できるものを出品者自身が設定するという。同じデザインをさらに作り込んで大会に臨む参加者もいるが、利奈子さんはテーマを変えて新たな作品で挑んだ。

 モチーフにバイオリンを選び、音楽をテーマに作品作りをした。バイオリン職人の少年や、音楽家に扮(ふん)した動物も登場する。「表にはバッハと協力してバイオリンの弦を張りながら、弦が絡まってしまったモーツァルトをあしらい、裏には執筆をしているベートーベンが隠れている。360度さまざまな角度から楽しんでほしい」と利奈子さんは話す。

 制作には約1カ月半を費やした。利奈子さんは「店の営業もあるので、お客さまに迷惑がかからないよう、店休日や閉店後に作業して深夜2~3時になることもあった。秩父から都内の会場まで車で運んでも壊れないように、パーツをしっかりと乾燥させながら細かく作り込んでいった」と苦労を振り返る。

 正規さんは「マジパンはあくまでも菓子であり、食べ物。フィギュアではないので『おいしそう』にキャラクターなどをデフォルメして作る。大会に出場することで、店のケーキのデザインなどにも良い影響がある。夫婦2人とも出場するのは大変なので、互いにバトンタッチしながら出場できたら」と意気込む。

 営業時間は9時~19時。火曜定休。作品は現在、店内に飾っている。

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