愛犬と飼い主のためのイベント「わん’sフェス」が10月19日、ドッグラン「わん’s広場」(秩父市久那)で行われる。開催は2回目。当日は新しい取り組みとして、保護犬の譲渡会やしつけ教室も予定する。
「里親テラス」では、繁殖引退犬や、ハンディキャップのある犬の譲渡活動を行っている
埼玉県道72号秩父荒川線沿い、秩父市立久那小学校から徒歩4分ほどの場所にある同施設。カフェを併設し、犬が走って遊べる屋内外のドッグランを合わせると2600平方メートルで、ドッグランエリアは屋内外共に、大型犬・小型犬のサイズに分けて利用可能。
当日は、室内ドッグランの半分を出店スペースとして使い、犬のおやつ、ジビエを使ったドッグフード、犬の洋服や首輪などの販売を予定。犬のシフォンケーキや焼き芋のキッチンカー、アニマルコミュニケーターや犬の写真撮影の出店も予定する。
店主の山越道子さんは「今回は保護犬の譲渡会を取り入れることが目標だった」と話す。山越さんの飼育するビーグルの健と桃と花は保護犬。現在は店の看板犬として、毎日一緒に出勤している。フェス企画担当の中田洋江さんは自宅で保護犬4匹、保護猫5匹と暮らしており、さらに猫3匹をボランティアで一時預かりもしているという。
2人の目標が一致し、保護団体を探していたところ「里親テラス」(熊谷市)を知ったという。里親テラスは、ブリーダーの繁殖犬として引退した犬やハンディキャップのある犬を中心に、ブリーダーなどから引き受けて譲渡活動を行っている。
代表の小吹裕未さんは動物病院の元看護師で、現在は保護施設に併設するかたちでペットサロンやペットホテルやブリーダー業を手がけ、動物業界で内情を知ったことから、保護活動を始めたという。「親犬を手放すことになったブリーダーに『かわいそう。そんなことやめろ』と言うのは簡単だが、日本のペット業界を変えていくには一筋縄ではいかない」と苦悩を明かす。
「保護犬の譲渡条件は各団体で異なるが、条件をただ厳しくするだけがペットの守り方ではないと思う。厳しくしすぎて引き取りづらくすれば、救われるペットが減ってしまう。資産も時間もあるけどペットに労力をかけない人もいるし、収入が少なくてもペットに十分な愛情を注げる人もいる。数字的な条件だけで縛るのではなく、面談で様子を見たり、『何かあった時にすぐに連絡して戻して』などと話し合って譲り先を決めている」とも。
中田さんは「保護犬について知ってもらい、ペットショップだけでなく譲渡施設でペットを受け入れる選択肢も増やしてもらえたら」と呼びかける。その他、動物の元看護師で、オーストラリアのトリミングや犬を預かる施設で就業経験のある、中田さんの次女がしつけ教室を担当する。
開催時間は10時~16時。当日はドッグランやカフェも利用可能。ドッグランの利用料は1頭1,000円。