長瀞町の「農家民泊&ファームスタンドTorocolo(トロコロ)」(長瀞町長瀞)で4月6日、同施設のこけら落としとなるイベント「葉玉ねぎヌーヴォー!」が開催された。同施設では食堂、農家民泊を運営するほか、収穫祭やマルシェなどを行う「ファームスタンド」や畑の直送便などを行う。
代表は元長瀞町地域おこし協力隊の暮林まどかさん。まどかさんは東京都練馬区内で13年間にわたり、夫の誠さんと共に居酒屋を営んでいた経歴を持つ。2019年の協力隊就任後に地元農家と交流を深め、2020年、「Torocoloながとろ町のお土産野菜」を立ち上げ、季節に合わせた朝採れ野菜の直送を始めた。
2021年には地域で取れたカリンを使ったカレーペーストを開発。同商品は「2023年優良ふるさと食品中央コンクール」で食品産業センター会長賞を受賞した。2022年3月、「農村を楽しもう」「古き良きを新しく」をコンセプトに「Joy'n the Rural(ジョインザルーラル)」を立ち上げ、協力隊在籍中から行ってきた活動を事業化した。
野菜の直送サービスからトロコロがスタートし、リピーターも増え、「実際に農家に会える、長瀞町や長瀞町の畑に来てもらえる場所を作りたい。観光で訪れる人と長瀞に住む地域の人が交われる場所や、農業や食の楽しみを共有できる場所にしたい」などの思いから昨年、広い畑と築100年以上の古民家を購入。職人の手を借りながら、誠さんや仲間と共に古民家を改装して同施設を開いた。
イベント当日は、長瀞産の葉タマネギ、のらぼう菜、ユズ七味を直売したほか、葉タマネギをメインにした定食を提供した。まどかさんは「古民家を自分たちで住みながら整えていくのは大変だった。今日こうしてお客さまに食事を食べてもらえて感慨深い。これからいろいろな人に地元野菜を使った食事を食べてほしい。農家が野菜を販売する直売所として、地元の店や地元の方が買い物に来たり、皆さんが集ったりできる場所になれれば」と話す。
家族5人で訪れた長瀞町在住の染野操さんは「インスタグラムで今日のオープンを知った。まどかさんが協力隊として活動していた頃から交流があり、これからまどかさんが作った長瀞のカリンを使ったカリンスパイスカレーもメニューに並ぶと聞いている。季節になったら我が家で採れたカリンも提供したい」と話す。
4月の営業は、金曜・土曜・日曜の11時30分~(売り切れ次第、閉店)。