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「秩父アサギマダラフォーラム」初開催 マーキングのルール作りも

秩父アサギマダラフォーラムの様子

秩父アサギマダラフォーラムの様子

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 「第1回秩父アサギマダラフォーラム」が1月28日、秩父札所23番音楽寺(秩父市寺尾)本堂で開催された。「秩父 蝶(ちょう)を呼ぶ花の会」会長の久保栄二さんが中心となり、25人が集まった。「秩父の環境を考える会」「道の駅あらかわ出品者の会」「内出山『藤袴(ふじばかま)の丘』をつくる会」やアサギマダラやフジバカマに興味を持つ個人などが参加した。

久保さんと舘さん

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 「旅するチョウ」として知られるアサギマダラは薄いあさぎ色(薄い水色に近い色)をしたまだら模様の羽を持ち、細かく羽ばたかずフワフワと飛び、海を越えて2000キロもの距離を渡った記録もあるという。アサギマダラが好むフジバカマにはアルカロイドの毒性があり、蜜を吸うことで体内に毒を蓄積して鳥などの外敵から身を守る。

 「秩父 蝶を呼ぶ花の会」は音楽寺、宝登山神社、龍勢会館、羊山公園、秩父市立西小学校、にフジバカマを植え、Mahora稲穂山などには苗を提供している。昨年は暑かったためか秩父地域では通常9月下旬~10月に咲くフジバカマの状況が芳しくなく、アサギマダラの飛来も少なかったという。

 当日は同会顧問を務める石塚正彦さんと、毎年数千頭ものアサギマダラの羽にマーキングする井上浩さんを講師に迎え、学術資料や自身の体験談を元にした勉強会を行った。その後、秩父地域のマーキングの方法の統一やアサギマダラの捕獲や再捕獲の情報管理について話し合った。

 マーキングはアサギマダラの移動状況調査のために行う。全国各地でマーキングしたアサギマダラの再捕獲情報を共有することで、移動ルートや時期、移動距離などが分かる。昨年は同会のメンバーが再捕獲したものが秩父と寄居で4例見つかった。マーキングの内容から、3例が「山ZAO=山形蔵王」(山形県山形市)、1例が「UTU=美ヶ原」(長野県松本市)から渡ってきたものと判明した。

 話し合いの結果、秩父で捕獲したアサギマダラには秩父を表す地域記号「CCB」と捕獲した日付、捕獲した個人や団体を表す識別記号などをマーキングすることになった。再捕獲したアサギマダラには、既にマーキングされている羽の反対の羽に追記する。

 同会役員庶務の舘今宵さんは「この会に関わるようになって、自身の特技や経験を生かして本気で好きなものに関わっている人たちだと感じる。私自身は子育て中で慌ただしく過ごしてしまうことも多いが、忙しいからこそ土や自然に触れることで息苦しさが和らぐこともある。自然豊かな秩父で過ごしているので、こうした活動に関わることで、より秩父の暮らしを楽しんで心豊かに過ごせれば」と話す。

 フジバカマ以外の植物についての情報交換も行った。「キジョランやイケマなど、アサギマダラの食草を植えることで、産卵や幼虫の観察などがより身近に行えるのではないか」と久保さんは期待を込める。

 久保さんは「今回初めてフォーラムを行ったが、とても良い集まりになった。今後も毎年、年2回を目標に開いていきたい」と話す。「当会が育てて増えたフジバカマの苗を、3月17日に龍勢会館で開かれるイベント時に販売を予定している。4~5月ごろに植えてもらい、さまざまな場所にアサギマダラが飛来したら」と期待を込める。

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