皆野町のITコンサルティング企業「MAREMI」(皆野町皆野)代表の吉岡健太朗さんが3月15日、秩父地場産センター(秩父市宮側町)で「業務効率化や経費削減だけではないDX(デジタル化) IT投資の有無で売上が2.1倍変わる」をテーマに勉強会を開く。
吉岡さんは皆野町出身。東証一部上場企業の情報システムでキャリアをスタートした。会社員時代には医療分野で生産性を上げるためのDX事業などに携わり、予約サービスを導入することで「病院の待ち時間ゼロ」を実現させる目標に取り組んだという。
当時は朝早くから終電まで働く日が多く、3人の娘や妻と過ごす時間が少ないことに悩んでいたと振り返る。「子育てや家庭にもっと向き合いたい」という思いで会社を退職し、昨年3月に起業。社名の「MAREMI」は3人の娘たちの頭文字を並べた造語。実家のある皆野町を拠点に活動を始め、現在は住まいのある川口と皆野町の2拠点生活を送っている。
実家に頻繁に出入りするようになり、昨年7月ごろ、母が祖父や祖母を深谷の病院まで片道40分の時間をかけて送り迎えしていたことを知った。前職で携わっていた医療分野の知見と、秩父地域で協力してもらえる人を募ったことで、昨年10月、影森薬局(下影森)でオンライン診療と薬の配達をスタートできることになった。
その他にも、新聞配達の営業所から相談を受けて業務効率が上がった事例もある。新聞代の未払いや不在などが原因で毎月残業になっていたが、口座振替やクレジットカード払いを積極的に活用したところ、従業員の残業が減り、働きやすい会社としてハローワークに求人が出せるようになったという。
吉岡さんは「不便なことや面倒くさいことは僕自身はやりたくないし、周りの人にもしてほしくない。仕組みを変えて便利になったり、生産性を上げて残業を減らしたり、家族と過ごしたりして、もっと大切なことに時間を使いたい」と話す。
「今回の勉強会では、自社のデジタル化を推進したり、IT化やDXに興味があったり、IT導入補助金に興味のある人にもぜひ参加してほしい。当日はDX化の事例を多く紹介するので、自社の業務改善の参考にしてもらえれば」と話す。
「一緒に講師を勤めるディグナ(東京都港区)の梅崎健理社長は2008(平成20)年にツイッターが日本に上陸した際にいち早く参加して『~なう』という2010(平成22)年の流行語を作った人。幼い頃からITに触れている梅崎さんと一緒に秩父で勉強会ができるのが楽しみ。デジタル完全初心者の方にも分かりやすく話すので、身構えず、多くの人に参加してもらえれば」と呼びかける。
勉強会は15時30分~17時。受講無料。定員は30人。申し込みはホームページで受け付ける。