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秩父・道生に鍼灸院 ちちぶ空き家バンクが契機となり都内から移転

田部鍼灸治療院、外観

田部鍼灸治療院、外観

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 秩父神社から徒歩6分の場所に「田部鍼灸(しんきゅう)治療院」(秩父市道生町、TEL 0494-53-9289)が開院して2カ月がたった。

田部貢院長

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 院長の田部貢さんは東京都出身。鍼灸師の仕事に就く前はミュージシャンでドラムの演奏をしていたり、内装の仕事をしたり、長野のスキー場でホテルの客室部支配人をしたり、リサーチ会社に勤務したりするなど、さまざまな仕事に携わった。あるとき仕事中に腰を痛め、たまたま受けた鍼灸治療に感動したことをきっかけに、鍼灸に興味を持ったという。

 はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格取得後、都内の治療院で3年ほど勤務。その後、2005(平成17)年に東京都豊島区内で開業した。住まいは清瀬に構え通勤し、西武線沿線の秩父へは妻と一緒に札所や温泉を目的に何度も訪れていた。

 昨年2月に秩父を訪問した際、「ちちぶ空き家バンク」を知り、サイトに載っていた物件を見ることにしたという。「観光地に住むことに憧れがあり、草津や塩原など他の観光地も見ていた。秩父に住むなら自然豊かなところかと想像していたが、街なかを歩いて生活できる場所にこの物件を見つけた。建物の雰囲気も立地もとても良いなと感じ、外観を見た翌週に内見して、すぐに購入を決めた」と田部さんは振り返る。「コロナ禍で、このまま都内で働き続けていいものか、考えるところもあった」とも。

 建物の骨組みを残してリノベーションし、現在の治療院を作り上げた。柱があることで部屋が狭く感じていた部分に更衣室を設け、待合室部分に欄間を白く塗装して飾るなど、当時の建物の様子を残しているという。

 診療用のベッドは1台のみ。完全予約制で鍼・灸・指圧・マッサージを組み合わせる。「体の様子を診て鍼灸が必要だなというところに使って、その間に別のところをマッサージする。ここにも必要かなというところに鍼灸を使って、また別の場所を診ていく。予約時間をフルに使い、マンツーマンでじっくり向き合っている」と話す。

 「都内で診ていた患者さんと秩父の患者さんとでは、同じ腰痛で来院しても、体の使い方が違うように感じる。地元の人たちが少しでも快適になれるよう、秩父に呼ばれて来たと感じているので何でも言ってほしい」と呼びかける。

 営業時間は9時~19時。水曜と第1・第3木曜定休。料金は、30分=3,000円、60分=5,000円、90分=7,000円(鍼・灸代金含む)。初診料は1,000円。

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