秩父の旅館比与志（秩父市野坂町2、TEL 0494-22-2325）が洗面所を「宇宙船内をイメージした未来型パウダールーム」に改装して「STAR☆SHIP」と命名し、1月21日にリニューアルオープンした。

カーテンを閉めた状態の未来型パウダールーム

　同館は1963（昭和38）年創業の旅館で、3代目支配人は前川拓也さん。西武秩父駅から徒歩7分の場所にあり、素泊まり（朝食付き）の和モダンな雰囲気の宿。部屋は和洋室7室のほか、グループで利用できる広めの部屋もある。朝食は「ちちぶの旬、二十四節季のあさごはん」で、2週間に一度メニューを変更して提供する。

　前川さんは昨年、旅館事業を継承してから、「枯山水」に代表されるような「和の極みは宇宙にある」と思いついた。築58年の洗面所は共同で、水と温水が別々に出る形だったが、ターゲットである25歳～35歳の女性に気持ちよく使ってもらうため、洗面所を以前見て印象に残ったSF映画の宇宙船内のイメージになるように「未来型パウダールーム」にできたらと考え、「WAPLUS（ワプラス）」（上町）のデザイナー島田和俊さんに相談。宇宙船内にイメージして、3つの洗面台でカーテン個室になり、清潔感のあるシンプルデザインの形となった。デザインと施工は「かなりの高難度だった」と言うが、職人の尽力もあり完成にこぎ着けた。

　前川さんは「SNSで旅館や秩父について配信を重ねてきて、フォロワーも1万人を超える。旅館に携わるようになりSNSに育てられ支えられた。今回『未来型パウダールーム』ができたことで、『旅行に出かける気がないけど出掛けたくなる、秩父に行く気がなかったが秩父に行きたくなる』ような宿にして、秩父地域の観光誘致の振興につながり、盛り上げていければ」と話す。