長瀞町出身の墨画家、松尾六花(本名・松尾房江)さんの作品展が10月6日から、Mahora稲穂山(皆野町皆野)の「森の美術館」で開催される。
松尾さんは1933(昭和8)年に長瀞町に生まれ、子どもの頃に書や絵画、墨に魅せられ、以来、墨画を描き続けている。都内に嫁いで家庭を守りながらも創作活動を続けてきた松尾さんは、水墨画家・松下黄沙さんの指導を仰ぎ、現在に至るまで毎年、作品を発表してきた。
1993(平成5)年、望郷の念に駆られ夫と共に秩父に帰郷し、十数年を過ごした。現在は都内で活動を続けている。
今回は、松尾さんの代表作「不空絹索観音」「間瀬尾根」「キージ幻想」「三観音」など約50作品を展示する。中でも、コロナ禍での思いを一気に描き上げた最新作「年越し」「夜明け」「祈り」の三部作は、同館館長・長谷川さんと結びつくきっかけとなった作品だという。
松尾さんは「近隣の人に囲まれながら作品作りができた日々は、今までの人生の宝。そんな皆さまへの思いを込めた作品を見てほしい」と話す。
長谷川さんは「松尾さんの作品からは、郷里を想う情熱や温かい感情が伝わってくる。ぜひ松尾さんの力強い墨画の世界をご覧いただければ」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~16時30分。火曜休館。入館無料(入園時に整備協力金が500円が必要)。今月18日まで。