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横瀬町で「ジビエレシピコンテスト」 鳥獣害対策への関心促す

横瀬町振興課で有害鳥獣対策担当の小菅さん

横瀬町振興課で有害鳥獣対策担当の小菅さん

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 鹿肉を使った家庭料理のアイデアを募る「ジビエレシピコンテスト」が10月26日、横瀬町で始まった。町民がジビエに触れ、有害鳥獣対策を身近に感じてもらうことを目的に、横瀬町鳥獣害対策協議会が企画した。同町で狩猟・解体体験イベントや、ジビエ肉の加工・販売、レストラン営業などを行っている「カリラボ」(横瀬町芦ケ久保)が企画から参加し、町と共催する。

ジビエレシピコンテスト チラシ

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 町内では鹿をはじめ、クマやイノシシ、アナグマ、ハクビシン、アライグマ、タヌキなど、さまざまな獣が確認されている。鳥獣害の実態を知る入り口として、まずは身近な鹿肉を通じて地域の自然環境や獣との関わりに目を向けてもらうのがコンテストの狙い。栽培している果樹や野菜だけでなく、庭に放置された生ごみやペットフードなどが獣被害につながっており、猟友会が捕獲するだけでなく各町民の行動の見直しが必要となる。

 同協議会は害獣を「捕獲して終わり」ではなく、資源として有効に活用する方針を掲げている。今回のコンテストでは、応募者にはカリラボで精肉処理された300グラムの冷凍鹿肉を無償配布する。ミンチまたはもも肉ブロックのいずれかを選べ、自宅で試作調理した上でレシピを提出する。鹿肉を指定日に横瀬町内で受け取れる参加者には、カリラボが手がけたジビエ加工品も進呈する。

 応募期間は12月5日までで、レシピ提出期間は11月25日~12月17日。レシピの一次審査を経て来年1月18日、当日調理した料理の実食審査と表彰を行う。審査員は、加藤伯及協議会長、富田能成町長、井上雅国観光協会長、カリラボの吉田隼介さんが務め、特別審査員として秩父のイタリアンレストラン「cucina salve(クチーナ・サルヴェ)」(秩父市番場町)を手がける坪内浩シェフが加わる。

 審査では、家庭で再現できる味や手に入りやすい食材の使用、調味料や調理法の工夫などを基準とする。集まったレシピの一部は町や協議会が編集して、レシピ集としてまとめて公表を予定している。

 横瀬町役場振興課で有害鳥獣対策担当の小菅旭央さんは「秩父地域でも、ジビエを食べたことがない人が意外と多い。ジビエに触れることで、有害鳥獣対策を自分事として考えるきっかけになれば。クマの目撃情報なども増えているため、生ごみの出し方や果樹の管理など、身近なことから意識を変えていく第一歩にしてもらいたい」と話す。

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