埼玉県立皆野高校(皆野町大渕)の生徒が企画から運営までを手がけた観光ツアーが12月13日に催行される。11月4日に参加者募集を始めた。
同校商業科目「観光ビジネス」の授業の一環で立ち上げた「皆野・長瀞観光ツアープロジェクト」で取り組む同ツアー。観光オフシーズンに当たる12月の秩父地域を、高校生ならではの視点で盛り上げる試みで、本年度新たに始動した同プロジェクト。机上の学びにとどまらず、地域の観光振興を実際に体験する実践的商業教育として行う。当日は生徒がツアーガイドも担う。
1学期には生徒が5つのグループに分かれ、皆野町・長瀞町の観光協会や町役場、商工会など多くの地域関係者や西武文理大学、ものつくり大学の学生からも協力を得ながらプラン作成を進めた。7月16日には皆野町長をはじめとする5人の審査員と地域おこし協力隊や観光協会などが見守る中でプレゼンテーション大会を開き、5案の中から2案を選出。2学期からは、プラン実現に向けて生徒全員で準備に取り組んでいる。選ばれた2つのツアープランは、いずれも高校生の感性と地域の魅力が融合した内容になっているという。
プランA「普段ではできない体験」は自然を楽しむ体験型ツアーで、シイタケ狩り、キャンドル作り体験、長瀞散策、皆野高校で夕焼け・星空を楽しんだ後、地元のピザ店で夕食を取る。「このシーズンにしか味わえない地域の良さを知ってもらうこと」を目標にした。プランB「青春と自然を楽しめる旅」は、皆野高校で門松作りなどのさまざまな体験を行った後、宝登山神社や秩父華厳の滝の見学、道の駅みなのでの買い物、地元温泉施設での入浴も盛り込む。「高校時代を思い出す修学旅行のようなツアー」を目指しているという。
10月30日には埼玉信用組合皆野支店を訪れ、生徒が融資申込書や事業計画書を基に窓口で企画説明を行った。企画実現に向け、地域の大人たちのサポートを受けながら主体的に計画を立て、観光業の現場を肌で学ぶ貴重な機会となっている。
ツアーの詳細は、長瀞観光協会、皆野高校のウェブサイトで確認できる。