
横瀬小学校(横瀬町横瀬)で10月7日、「埼玉いちご大学」が出張授業(ワークショップ)を行った。5年生児童47人が参加し、「小さな洋菓子店Spoon(スプーン)」(秩父市本町)で試作中のメレンゲクッキーを題材に販売方法を考えた。
試作品のメレンゲクッキーは「小さな洋菓子店Spoon」が作った
埼玉県は全国で唯一、日本野菜ソムリエ協会から「最もおいしいいちごを生産する県」として「プレミアムいちご県」に2023年から3年連続で認定された。特に県オリジナル品種「あまりん」「かおりん」「べにたま」などが高く評価されている。
「埼玉いちご大学」は、県農林部農業ビジネス支援課の事業として制作会社「スキーマ」(東京都渋谷区)と横瀬町の地域商社「ENgaWA」(横瀬町横瀬)が運営するプロジェクト。これまでに異業種の参加者が集まり、ワークショップやイベント出店を通して商品開発や地域発信を行ってきた。
同校では、食や農業をテーマにした社会科授業として、埼玉県内で行われている陸上養殖やバナナ栽培、イチゴの品種改良などを学んできた。今回の授業は、その4・5時間目当たり、「地元のイチゴを使った商品の魅力をどのように伝えるか」を考える内容となった。
メレンゲクッキーはフリーズドライ加工したイチゴから作ったパウダーを使っている。児童は配布されたクッキーを試食し、香りや形、味や食感を確かめたり、パッケージに表示された原材料を確認したりしていた。個人ワークとして「このクッキーを誰と食べたいか」「誰に贈りたいか」などを考えながら、ターゲットを一人に絞って「ペルソナシート」にまとめた。
その後は12チームに分かれ、地域イベントで販売する想定で販売方法を話し合った。PCを使って資料やSNS投稿のイメージや動画を作ったり、外国語で呼び込みを考えたりするなど、さまざまな手段を考案。手描きの看板を作るチームや、くじ引きやじゃんけんでおまけを付ける仕かけを考えるチームもあり、発表では、それぞれのチームが工夫を披露し合った。
進行役を務めたスキーマ取締役の橋本健太郎さんは「店で何かを販売しているのを見かけたら、どんな工夫があるかを観察してみてほしい。今日の体験が、ものを売ることや作ることへの関心を高め、将来の仕事を考えるきっかけになれば」と話す。