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地域活性化イベント「みんなで皆野まちおこし万博」が2月2日、皆野町文化会館(皆野町皆野)で初開催され、約500人が参加した。
人口減少が深刻化する中、町内外の関係者(町民、行政、大学、企業など)が一堂に会し、町の未来を共に考える場として企画された同イベント。同町では大学と包括連携協定を締結するなど、地域活性化に向けた取り組みを積極的に進めている。企画の背景には、地域おこし協力隊の活動や大学、企業との連携を町民に十分に伝えられていないことや、連携している組織間の横のつながりが不足しているなどの課題があった。それぞれの活動を発表する場を設け、町民のまちづくりへの関心を高め、地域活性化の機運を高めることを目的とした。
当日は、一般社団法人「官民共創未来コンソーシアム」上席理事の箕浦龍一さんが「皆野町が元気になるためのヒント」と題し、基調講演を行った。箕浦さんは「ビジネス環境も、人々のライフスタイルも、地域の在り方も、絶えず変化へのアップデートが求められる時代に突入している。地域における同調性や同質性を重んじる文化から脱却し、多様性を受け入れることが重要」と話す。
「『関係人口』は『地域と人』のつながりと考えがちだが、人は人としかつながらない。町外の人たちと町民の交流は、当たり前と思っていた皆野町の日常的な景色の中に、気付かなかった魅力を再発見するきっかけを与えてくれるかもしれない」とも。
早稲田大学人間科学学術院(所沢市)、立正大学データサイエンス学部(熊谷市)、ものつくり大学(行田市)、十文字学園女子大学(新座市)、世界一周大学(横浜市)といった地域活性化に携わる大学や、ちちぶ空き家バンク、埼玉りそな銀行なども参加。34枚のパネル展示やセミナーを通して、具体的な取り組みを紹介した。その他、皆野町への移住者7人の講話、ドローン操縦体験などのワークショップも行ったほか、キッチンカーによるグルメコーナーも設けた。
黒沢栄則町長は「『みんなで皆野まちおこし万博』は、町の情報を全員で共有する場として毎年行う。一人一人がまちづくりを自分事としてとらえ、多様性を受け入れ新しいチャレンジが尊重される町にしていきたい」と力を込める。
同町企画財政課課長の嶋田政則さんは「ウエルカムな空気を作って新しいことに挑戦していく、それを皆野町の町民の人たちが置いていかれないように進めていくことが、皆野町の魅力向上につながるのでは。今後もチャレンジしたい人や企業にぜひ来てもらいたい」と話す。