イチゴをテーマにしたプロジェクト「埼玉いちご大学」のワークショップが12月7日、「Area898」(横瀬町横瀬)で開催される。制作会社「スキーマ」(東京都渋谷区)と地域商社「ENgaWA」(横瀬町横瀬)が、埼玉県農林部農業ビジネス支援課の事業として取り組む。
埼玉県にはオリジナルのイチゴ品種があり、秩父には現在、約30軒のイチゴ農家がある。オリジナル品種の「あまりん」は断面がハートに見えるのが特徴で、強い甘みと、ほのかな酸味がある。「かおりん」は、豊かな香りと強い甘みに酸味のアクセントが加わり、食感には張りがあるという。秩父市出身の落語家・林家たい平さんが名付け親ということもあり、秩父でも広く親しまれている。
埼玉イチゴを活用して商品開発などを行い、イチゴの産地としての知名度の向上や誘客につなげることで、中山間地域の活性化を目的とする同プロジェクト。ワークショップ当日はArea898に集合し、バスツアー形式でイチゴ農家を訪問する。栽培に携わる農家やイチゴに特化した商品開発を行う関係者などからも直接、話を聞く。
午後はArea898で、イチゴを活用した新しい商品のアイデアをチームごとに出し合い、対話を通じてより良いアイデアへとブラッシュアップしていく。各チームには1人以上のイチゴ農家が入って話し合いを行う。菓子や料理などの飲食物に限らず、「イチゴと家具・食器」「イチゴと電気・照明」「イチゴとダンス・アート」など異業種のコラボレーションにも期待する。さまざまな職業や個人の特技を生かした発想で新たな切り口で企画開発を目指すという。
秩父市在住でスキーマ取締役の橋本健太郎さんは「イチゴと聞くと栃木などをイメージする人も多いが、実は全国のコンテストでも埼玉のイチゴ農家が複数、上位入賞している。県内外からも注目されており、業種を超えた幅広い分野の参加者が集まることで、新しい価値観が生まれるのでは」と期待を込める。「既に、IT企業の社員や映画監督、ガラスメーカーやショッピングモールやデザイナーや飲食店、フルーツのアレルギーだが参加したい人などさまざまなジャンルの人から入学希望が届いており、どんな企画が生み出されるか楽しみ」とも。
今後の展開として、ワークショップを通じて集まったアイデアはENgaWAチームや地元企業と共に商品化へと進める。完成した商品は来年3月に秩父で行う台湾イベントでお披露目する予定で、プロジェクトは来年度も継続する見込み。
現在、参加者を募集している。入学(参加)希望者はウェブサイトで受け付ける。応募対象は高校生以上。参加費は昼食代として1,000円。