横瀬町の地域商社「ENgaWA」(横瀬町横瀬)が10月22日、同社が栽培する種なし巨峰「まごぶどう」の規格外品を活用して造ったクラフトビール「くまさんのまごぶどう」を発売した。「秩父麦酒醸造所」(秩父市下吉田)とコラボして開発した。
(左から)「ENgaWA」開発担当の吉村さんと「秩父麦酒醸造所」丹さん
横瀬町地域おこし協力隊が中心となり運営しているENgaWAは2021年9月に設立され、「横瀬町に新しい経済循環・価値循環をつくること」を目指し、飲食店運営や商品開発、農業支援、ふるさと納税運営受託など、横瀬町の課題を、ビジネスを通じて解決することに取り組んでいる。
「まごぶどう」は琴平農園(芦ヶ久保)で栽培されており、園主・赤岩時夫さんの「孫世代」のメンバーが「まごころ込めて」という意味をかけ合わせて命名した。昨年、赤岩さんがけがをしたためブドウ畑の一部を手放そうとしていたところ、同社のメンバーが栽培を引き継ぎ、農法を学びながらブドウを育てている。
同商品は秩父麦酒醸造所の設備を借り、規格外のブドウを搾汁して酸味のある「サワーエール」に仕上げた。「ビールとワインの中間くらいの味わいが特徴」だという。
まごぶどうの栽培と商品開発担当を担った吉村俊也さんは、大学時代に横瀬町のどぶろくを活用したプロジェクトを企画した経験があり、酒造りに関心があるという。吉村さんは「酒造りの過程に関わり、醸造の大変さを実感した。このビールを通して、中山間地域での農地継承という課題にも関心を持ってもらえたら」と話す。
330ミリリットル瓶で、価格は700円。西武秩父線横瀬駅前にある「ENgaWA駅前食堂」を中心に取り扱う。