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秩父高校で探究学習中間報告 地域企業と連携活動

札所をテーマにしたチームの発表

札所をテーマにしたチームの発表

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 埼玉県立秩父高校(秩父市上町)で10月3日、1年生189人が「総合的な探究の時間」の中間報告会を行った。

授業を担当する田中先生

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 同校は昨年度から、埼玉県教育委員会から「県立高校学際的な学び推進事業」の指定を受けている。本年度は「つなごう!ちちこう!」をキャッチフレーズに、各学年それぞれの目的を持って活動している。今年の1年生は「ちちぶを知る・動く」を目標に掲げ、同授業をでのメインプログラムを地域企業との協働探究「QUEST」と題して秩父地域を中心とした21の企業や団体と連携して探求探究活動に取り組む。

 6月から11月にかけてチームに分かれ、寺や秩父銘仙や養蚕、林業、建築業、農業、食品業、飲食業、電気工事業、宿泊業など、それぞれが抱える課題から理想の未来に向かうためのアクションを計画し、最終発表までを行う。中にはイベントや商品化を途中段階で行うチームもある。

 当日は企業と生徒が10教室に分かれ、1チーム4~5人ほどがそれぞれ、企業や団体と夏休み中に行ったミッション、今後のアクションなどについてまとめた資料を使って報告を行った。札所についての知名度や興味のアンケートを駅前で行ったチーム、新商品としてアイスの開発を行ってこれからどのようにPR活動をするか悩むチーム、ジビエの活用方法やイメージアップを検討するチームなど、それぞれの方向性を示した。

 授業を担当するのは昨年4月に着任した数学科の田中里奈教諭。長期派遣された島根県の学校のプログラムや他県の学校の視察を踏まえ、同校のためのカリキュラムを一から組み立てたという。田中教諭は教師になる前は民間企業で働いていた。『ビジネスを経験してそれを活かせる教員になりたいと思い、就職活動をして入社した会社で3年ほど営業していた」と明かす。

 協力企業へは営業経験を生かし、説明のために各社へ訪問したという。「私は出身がさいたま市なので、初めは知り合いも少なかった。取り組みを理解してもらえる企業や団体を探したり、カリキュラムを考えたりして、この授業を担当するのは大変だが、生徒にとってはとても意味があるものだと思う。高校在学中に地域の企業を多く知ってほしいし、地域や子どもに真剣に接してくれる大人が多くいることを感じてほしい」と期待を込める。

 今後、各チームが課題に対し、どういうアクションが起こせるのかを話し合い、それぞれチームごとに実践していく。最終発表は11月21日を予定。

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