秩父市立南小学校(秩父市野坂町)で11月13日、一般社団法人「こどものまちプロジェクト」が出前授業を行い、4年生児童らが「秩父絹市」を彩るあんどん作りに挑戦した。
同法人は、秩父地域で暮らす若者と子どもをつなぐ活動を行っており、地域の伝統文化を次世代に伝えることを目的に活動している。今回は秩父市唯一の養蚕所「影森養蚕所」(影森)代表の久米悠平さんを講師に招き、養蚕や絹糸の文化についても説明した。
児童たちは大学生スタッフの協力の下、それぞれに色とりどりの絵をあんどんに描き、「プロサッカー選手になる」「プロ野球選手になる」「ケーキ屋さん」「救急救命士」「ダンサーになりたい」「鉄道旅をしたい」「秩父市長になる」など、それぞれの思いを込めて将来の夢を書き上げた。
完成した24個のあんどんは今後、秩父絹市実行委員会へ引き渡される。12月2日・3日の「秩父夜祭」と同日開催の「第7回秩父絹市」当日夜に、会場となる秩父神社近くの買継商通りと黒門通りに展示。秩父絹市は、かつて秩父夜祭で開催されていた年間最大の「絹の市」を「秩父絹市」として復刻したもの。秩父銘仙をはじめ各地の銘仙、工芸品の店が立ち並ぶ。
同法人代表理事の井上遼一郎さんは「地域の大人や若者が協力し、子どもたちが秩父の文化に誇りを持てるような機会を作りたいと考えた。あんどんに書いた子どもたちの夢を観光客や地域の人に見てもらい、子どもたちにも『自分も、この地域の担い手』だと実感を持ってもらえたらうれしい」と話す。