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芦ヶ久保の獅子舞「今年こそ白鬚神社で」 地元住民らが奉納

「白刃」真剣を用いて立ち回る

「白刃」真剣を用いて立ち回る

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 埼玉県指定無形民俗文化財に指定されている「芦ヶ久保の獅子舞」の演舞が8月16日、「白鬚(しらひげ)神社」(横瀬町芦ヶ久保)で奉納される。毎年8月16日に同神社の例大祭のつけ祭りとして演舞が奉納されている芦ヶ久保の獅子舞。太鼓をたたきながら舞う3頭の獅子舞と道化役の「猿田彦」、笛や花がさが加わり、全8演目を一日かけて演じる。

「芦ヶ久保の獅子舞」チラシ

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 出演者は、芦ヶ久保出身・在住者を中心に、秩父市内の住民や横瀬町への移住者など。今年は小学1年生1人と40代男性1人が舞台デビューを飾る。配役は8月7日の練習初日に発表された。7日、9日、11日、13日、15日の短期間の練習で仕上げていく。前日の8月15日には道の駅で本番と同じ時間をかけて全演目の通し稽古を行う。一般客の見学も可能。

 毎年の経験がある地元出身者はこの日程で十分に対応でき、移住者などは毎月の定例会で練習を重ねて本番に臨む。伝承のための書物や楽譜はなく、見よう見まねと口承や手取り足取りで伝えてきたが、近年は練習や本番で撮影した動画を見ながら学ぶことも増えているという。

 芦ヶ久保獅子舞保存会の宮下遥明さんは「太鼓を打ちながら舞う獅子舞はとにかくかっこいい。『蛇掛り』では小学生の獅子舞が登場し、かわいらしい演舞を披露する。真剣を用いて立ち回る『白刃』は緊張感があり、演者も観客も息をのむ迫力がある。猿田彦は観客に絡んで子どもを連れ去るふりをしたり、獅子も観客に近づいたり、遊び心をもって観客を楽しませる場面もある」と話す。

 芦ヶ久保の獅子舞は1752年、芦ヶ久保の大畑地区の竜源寺に滞在した僧侶が伝えたとされる。もともと同地区の諏訪神社に奉納されていたが、大正末期に白鬚神社に移され、今日に至る。

 2019年は雨天のため会場の変更があり、2020年、2021年はコロナ禍の影響で中止となり、2022年は道の駅での演舞を行った。2023年は午前のみ白鬚神社で奉納がかなったが、雨の影響で午後は道の駅へと会場を移した。昨年も荒天のため横瀬町活性化センター(芦ヶ久保)での演舞となった。「天気予報には今年も傘や雷のマークが残っているが、何とか白鬚神社で奉納したい」と宮下さんは話す。

 当日は、10時30分~「幣掛り」、11時~「眠忍び」、11時30分~「蛇掛り」、13時~「十文字」、14時30分~「花掛り」、15時~「女獅子隠し」、16時30分~「竿(さお)掛り」、17時~「白刃」を披露する予定。

 宮下さんは「まずは実際に見て、雰囲気を感じてほしい。メンバーになって演じてみたい人がいれば、気軽に声をかけてほしい」と呼びかける。

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