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小鹿野町の酒米で純米酒「両神山」 矢尾本店が農家と連携し初仕込み

(左から)茂木さん、加藤さん、荒舟さん、木村さん

(左から)茂木さん、加藤さん、荒舟さん、木村さん

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 秩父の酒蔵「矢尾本店」(秩父市別所)が3月28日、特別純米酒「両神山(りょうかみさん)」を発売した。小鹿野町産の酒米「美山錦」を使い、農家、酒蔵、町が協力して完成させた。

純米酒「両神山」 

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 同社では、ワイン業界で使われる「テロワール」という考え方に着目していた。土地の気候や土壌、水、人といった地域の個性をワインに反映させる考え方で、日本酒でもそうした表現ができないかと考え小鹿野町に相談。町が同社と農家をつなぎ、酒米作りから取り組みを始めた。

 酒米の栽培を担ったのは加藤貴一さんと茂木延夫さん。普段は自家用米を育てており、酒米は初挑戦。加藤さんは「30~40センチほど美山錦の方が背丈が高く、稲穂の重みで倒れやすい。あえて難しい米に挑戦した。稲穂が長くて、コンバインの調整をやり直さなければいけなかった」と振り返る。収穫された2200キロのうち990キロが酒造りに使われた。同社では年間124トンの米を使っているが、秩父産はそのうち7%ほどにとどまるという。

 酒造りを一貫して担当したのは、入社11年目となる荒舟健さん。これまでは麹(こうじ)づくりを中心に行っていたが、今回は初めて仕込みから携わった。荒舟さんは「小鹿野産の美山錦を100%使い、リンゴ酸酵母を使った。酸味のあるフレッシュな味に仕上がり、日本酒が苦手な人や若い世代にも飲みやすいと思う」、杜氏の木村直之さんは「地元の人たちと一緒に、みんなが幸せになるような酒を造っていけたら」と、それぞれ話す。

 「両神山」は小鹿野町内のみでの販売。720ミリリットル入りは町内の酒販店や道の駅で、300ミリリットル入りは飲食店や旅館などで取り扱う。価格は、720ミリリットル=1,650円、300ミリリットル=720円。

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