埼玉県小鹿野町にある法性寺(小鹿野町般若)で現在、夏の終わりから秋にかけて花を咲かせる「シュウカイドウ(秋海棠)」が見頃を迎えている。
シュウカイドウは、古くは中国大陸から持ち込まれ園芸用として栽培されてきたのが各地で野生化し、俳句では秋の季語に詠まれるなど人々に親しまれてきた。
同寺近くの雑木林には、およそ10万株とも30万株ともいわれる数のシュウカイドウが群生しており、地域の人たちが保護のための柵を巡らし、ネットを張り、鹿の食害から守ったり、雑草を取ったりして大切に育てている。
今年も、8月に咲き始めた2~3センチ程の花が見頃を迎えている。小鹿野町には、この時期、シュウカイドウを写真に収めようと訪れる人も多く、林の中に咲く花々は、一足早く秋の気配を感じることができる。小鹿野町によると今年は例年より開花が少し早く進んでいるという。
普段はこの時期に雑木林の斜面をピンク色に染めているが、今年は斜面の中腹から上の部分に花が見られず、近所に住む人は「斜面の上の方、林の中に当たる部分に花が見られないのは夜に野生の鹿が食べてしまっているのだと思う」と話す。
例年は「秋海棠」の文字の、のぼり旗が近くの県道まで立てられ、「シュウカイドウが見頃」の立て看板が見られるが、今年はのぼり旗も寺の周辺に何本か見られる程度となっている。