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秩父の献血会場で献眼登録 「献眼は 巡る命、つなぐ光」

公益財団法人埼玉県腎・アイバンク協会の理事長 島田さん

公益財団法人埼玉県腎・アイバンク協会の理事長 島田さん

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 「公益財団法人埼玉県腎・アイバンク協会」が秩父地域の献血会場でアイバンク登録の呼びかけを行う。献血活動は西秩父ライオンズクラブと秩父中央ライオンズクラブが主催し、同協会の取り組みに賛同して協力する。日程と会場は、1月27日=小鹿野文化会館(小鹿野町小鹿野)、2月6日=秩父神社(秩父市番場町)参集殿。

説明の際には申込書や専用カードなども使う。

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 アイバンクは、視力を失った人々に角膜移植を通じて視覚障害者に光を届ける活動を行っている。臓器提供には生体移植や脳死後提供があるが、角膜提供は亡くなった後に行われる。近視・遠視・老眼などの視力の状態、血液型、性別、年齢に関係なく提供でき、子どもの角膜が大人に移植される場合や、その逆もあるという。

 秩父地域で献血会場を活用したアイバンクの啓発活動を始めたのは、同協会で今年から理事長を勤める島田佳宣さん。島田さんは2010(平成22)年に理事になったことをきっかけに、啓発事業の取り組みを強化した。医学的な知識がなかったため独学で知識を得ながらチラシなどを作り始め、2012(平成24)年2月に献血会場での呼びかけを始めた。ここ数年は説明員を増やす活動も進め、最近では埼玉県中に活動を広げている。

 島田さんは長年、金物で営業職に就いてきた。学生時代から家庭用品、建築金物、二次製品、土木、鋼材などさまざまな商材を取り扱い、鉄骨加工工場も経営してきたという。島田さんは「長い営業経験が役に立っている。臆せず相手に話しかけて、納得してもらうように説明する。医療の専門知識がないおかげで、一般の人が知りたいことを同じ目線で伝えられる。多くの人に角膜提供の重要性を知ってもらいたい。ウイルス性疾患など感染の恐れがある病気で亡くなった場合は提供できないが、1人の目から片目ずつ2人に提供でき、献眼は『巡る命つなぐ光』と伝えることが多い」と話す。

 献血会場では申込用紙に記入するだけでアイバンクへの意思表明が完了し、後日、専用のカードが自宅に郵送される。献眼された遺族したや家族へ敬意を表すため感謝状が埼玉県知事・厚生労働大臣・アイバンク協会から贈られる。葬儀で感謝状を祭壇に飾ることも可能だという。

 「アイバンクへの登録は未成年の場合は両親の承諾が必要だが、年齢制限はない。献眼を含めた臓器提供(アイバンクと臓器移植ネットワーク)、スキンバンク、心臓弁や血管などの組織バンクなど、さまざまな『バンク』があることを知らない人が多い。呼びかけをしていると、自分の臓器は何でもあげるという人もいれば家族がどう思うかとためらう人もいて、思いは人それぞれ。意思表示カードを持ち歩くだけでなく、日頃から家族に自分の意思を伝えておくことも大切」と島田さんは話す。

 開催時間は1月27日=小鹿野文化会館は10時~11時45分、13時~16時、2月6日=秩父神社参集殿は10時~11時45分、13時~15時。

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