横瀬町の「オープン&フレンドリースペース エリア898」(横瀬町横瀬)で8月31日、7月から行ってきた「町長とお話ししましょう」の最終回が開催された。「対話」をキーワードにした同企画は、町長から議題は提示せず、住民が感じている課題や要望を起点に議論を行った。
以前から横瀬町では富田能成町長から、町の将来像や事業、現状の課題を説明し意見交換する場としての町政懇談会が開催されてきた。昨年度、第6次横瀬町総合振興計画の後期基本計画策定のタイミングで「町の声を聞くプロジェクト」として町内の7地区で住民と町長の対話会を開催。議論した内容が施策にも反映され、効果が見られたため本年度も継続して開くことになった。
本年度は7月にスタート。町内7地区で開催し、延べ212人が参加。最終回には、住んでいる地区にかかわらず参加者を募り、町民や地域おこし協力隊、まち経営課職員など18人ほどが参加した。
住民からは、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に県内で唯一選定された寺坂棚田の保全について、子育てを各家庭だけではなく地域ぐるみでどのように行っていくのか、地域コミュニティーを支える民生委員の後継者の育成、人口減少が進む中での区の再編などをテーマに話し合った。
企画した横瀬町役場まち経営課の大畑忠雄課長は「さまざまな町民の皆さまの意見を聞くことができた。頂いた声を持ち帰って、すぐできるものと中長期的に検討が必要なものとを整理し、各課で検討を進めたい」と振り返る。
富田町長は「本年度、町の職員と共有している重点キーワードは「対話」「連携」「チャレンジ」。これから住民の皆さんには、今回の語る会をきっかけとして、役場の職員と『対話』する機会を増やしていただけたら」と話す。
横瀬町に移住し、小学生の子どもを育てている女性参加者の一人は「普段、母親同士で話す中で感じていることを町長に伝えることができた。併せて、横瀬町のさまざまな地区からの参加者の声を聞くことができ、移住者としては横瀬町を知る機会にもなった」と話していた。