宿泊施設「宿 絢乃(AYANO)番場通り」が5月15日、西武秩父駅から徒歩5分ほどの場所にオープンする。
宿の主人・今泉学之さんは薬剤師でMARUJU、今泉薬局(山田)、秩父薬業協同組合などの代表を務める。「以前は宮側町で約10年薬局を営んでいたので、秩父市の中心部で事業ができ、帰ってきたような感覚もあってうれしい」と話す。
同宿は秩父神社の表参道である番場通りにあり、そばやワインを提供する「WINE BAR 昌楽」の店舗右側面から入り、階段を上がった場所に部屋がある。1グループ最大5人まで泊まることができ、25平方メートルのリビング、ベッドルーム、和室があり、レンジや湯沸かしポットなどを備えた簡易的なキッチンやシャワー、有料ランドリーも設ける。
部屋の家具は、「TATE Lab.(たてラボ.)」(横瀬)の家具職人・加藤健太さんが担当。秩父など埼玉県産材を使った合板から製作した。今泉さんは「秩父に縁のある物を置きたかった。ここでたてラボの家具を使ってもらい、『いいな』と思ったらサイトで買うこともできるようにする予定。ショールームのようにも使えたら」と話す。
今泉さんは「秩父ハーブ研究開発」の代表も務めており、クロモジの蒸留を行い、国際医療福祉大学の協力を得て、抗菌効果についての研究も進めている。「抗菌効果のある国産自然素材のものが世の中にはあまりないので、ゆくゆくはクロモジも清掃時に活用したい。薬剤師や薬局が監修する宿はあまりないと思う。私の職能を宿泊業で生かすことを考えた時、衛生的な視点で差別化できるはず」と意気込む。
宿の立ち上げは秩父市地域おこし協力隊の松本卓也さんが協力した。松本さんは「私はランニングが趣味で、ランナーたちが集えるような施設が増えたらと思っている。絢乃もランニングステーションのようにも使ってもらえたら」と話す。
今泉さんは「清潔で快適な宿になるよう努めているが、全てがそろっているわけではない。必要な基本設備は整っているので、宿泊して地元の飲食店やバー、温浴施設などにも訪れてもらえたら。いろいろな店や観光地が近くにあるので、地域の活性につながれば」と期待を込める。
宿泊料金は1室1泊5万5,000円~。宿泊予約はネットのみで対応し、事前カード決済により非対面でチェックイン・アウトが可能。スタッフは常駐せず、滞在中にスタッフが室内に入ることもない。2次元コードを用いたチェックインシステムを採用している。