秩父市が2月21日、観光名所の一つである三峯神社(秩父市三峰)近辺の交通渋滞の緩和に向けて、ネット上で混雑状況を確認できる「三峰駐車場等混雑状況可視化ポータルウェブサイト」を公開した。
同サービスはネット上で三峰駐車場近辺の混雑情報を発信することで、過度な渋滞発生や混雑を防ぎ、市内への旅行者に快適な回遊を促すための同市の事業として、「VACAN(バカン)」(東京都千代田区)と連携して行う。同市と同社は2020年にも災害発生時に避難所の混雑情報を確認ができるように「災害時避難施設に関わる情報の提供に関する協定」を締結している。
同市先端技術推進課の田中健太さんは「観光客の中には三峯神社に至る道路の混雑状況を知らずに渋滞に巻き込まれるケースがある。神社までの道路は一本しかなく、途中で手洗いにいくことも難しいため、観光客の満足度低下が懸念される。この状況を改善するため、まずは情報を正しく発信しようと考え本事業を始めた」と話す。
情報を把握・発信するに当たり、三峯神社の駐車場入り口と出口、駐車場300メートル手前と2.2キロ手前にカメラを設置。カメラの情報をAIが測定し、VACANのポータルサイト上に発信。三峯神社に向かう人は同サイト上で混雑状況を確認できるようになり、予定を立てる際の参考にもなる。同サイトには同駐車場の空き情報や渋滞発生情報以外にも、市内の飲食店や土産店、レジャー施設などの情報も公開する。
田中さんは「三峰駐車場等混雑状況可視化ポータルウェブサイトは、大滝・三峰方面に訪れる観光客が主に閲覧するサイトになる予定。市内の飲食店や土産・レジャー施設の情報も発信することで、神社の参拝前後にも秩父を楽しむ選択肢を増やして、混雑の分散はもちろん、秩父の滞在時間を延ばす取り組みとしても寄与できれば」と期待を込める。
「秩父の観光はシーズンによって客の数に波がある。今後は朝から夜まで、一年を通していつ来ても楽しめる観光地を目指している。そのために混雑の分散と市内の観光スポットの魅力を知ってもらい滞在してもらう事を目指していく。この事業が秩父の観光を、今まで以上にスムーズに楽しんでいただくきっかけにつながれば。今後は同サイトをより多くの人に知ってもらえることの施策を検討している」とも。