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ちちぶシルク研究分科会、「地域再生大賞」優秀賞 秩父銘仙のPRで

ちちぶシルク研究分科会メンバーと秩父市長

ちちぶシルク研究分科会メンバーと秩父市長

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 全国の地方新聞47紙と日本放送協会、共同通信が「地域の魅力アップや課題解決」に取り組む団体を応援する「第14回地域再生大賞」の優秀賞を「ファインドチチブ ちちぶシルク研究分科会」が受賞し、2月15日に表彰式が行われた。同会は広域秩父産業振興のための連携組織「FIND CHICHIBU(秩父市宮側町)」の分科会の一つ。

銘仙を使ったファッションアイテムも

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 秩父の絹産業の代表的な特産物「秩父銘仙」は、明治時代に秩父で始まった絹織物。無地やしま模様が庶民の着物で一般的だった時代に「ほぐし捺染(なっせん)」という染め方を取り入れたことで、華やかな色使いや大胆なデザインが庶民にも着られるようになり、大正から昭和初期にかけて全国的に人気となった。2013(平成25)年には国指定の伝統的工芸品となり、現在も生産を続けている。

 秩父銘仙は現在、着物だけでなく、ストール、帽子、バッグやマスクなど小物も商品化している。同会は「秩父銘仙販売会」を年1回の頻度で開くほか、秩父銘仙のアピールにつながるイベントにも率先して参加している。

 分科会長の宮前昌美さんは「絹産業をなりわいとして頑張っている人たちを応援したいと思い、秩父銘仙の製造・販売を事業として続けていけるよう、『ちちぶシルク研究分科会』は2019年から、秩父銘仙の講演会や販売会を企画して活動している。販売会を開催する前は、銘仙の織元が集まって何かをすることはなかったと聞いている。織元や絹文化の関係者が集まって協力し合うことができたため、地域再生の貢献にもつながったのでは」と話す。

 「秩父地域に6700軒あった養蚕農家は現在2軒のみで、近い将来1軒になる。養蚕から捺染・機織り、製品として完成するまで一つの地域で完結し、さらに神事にも結びついているのは全国でも秩父だけ。この伝統文化を継承していくためにも、秩父銘仙の製品を買っていただき、皆さんが身近に秩父銘仙や秩父銘仙の前身の『秩父太織』を身に着けられるよう、和装文化の継承も含めて手伝えればうれしい」と宮前さんは話す。

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