スパイスカレーを提供する秩父のダイニングバー「パラダイスアレイ」(秩父市道生町)と「ちちぶコーヒー」のコラボイベントが12月20日、秩父の旅館「竹取物語」(荒川上田野)で開催された。
パラダイスアレイの蒲澤さん(左)とちちぶコーヒーの福田さん(右)
イベントのきっかけは同店の蒲澤惇介さんが、同館で行われたコーヒーの試飲会に参加したこと。蒲澤さんと、コーヒーを提供した同館の福田歩惟さんが「スパイスカレーとコーヒーの魅力を同時に楽しみ伝えられるイベントを開催できないか」と話が弾んだという。福田さんは「ちちぶコーヒー」を運営しており、店を開く準備中。3月には国際コーヒー品質協会が認定するコーヒーの鑑定士の資格の一つである「Qアラビカグレーダー」を取得した。
30種のスパイスを使ったカレーに、どのようなコーヒーが合うのか、ペアリングに約半年かかったという。蒲澤さんは「カレーとコーヒーは直感的に合いそうだが、食後にコーヒーではなくカレーを食べながらコーヒーを飲んでマリアージュを楽しむのは新鮮という声もあった」と話す。
パラダイスアレイは12月12日で3周年を迎えた。「現在のパラダイスアレイがオープンする前から同名の店が同じ場所に開かれていたが、運営していたのは別の人。当時の店主が店の場所を継いでくれる人を探していたところ、たまたま客として訪れ、話が弾んで引き継ぐことになった」と蒲澤さんは話す。屋号は変えず、2020年にオープンした。
開店後ほどなくして新型コロナウイルスによる緊急事態宣言があり、営業がままならない中「この機会に料理の技術を磨こう」と北海道の飲食店に学びに行った。「初めは店内に設置してある鉄板を使った看板メニューを作るつもりだったが、最終的にスパイスカレーを秩父で提供することに決めた」と蒲澤さんは振り返る。
その後、蒲澤さんは「スパイス香辛料ソムリエ」と「スパイスインストラクター」の資格を取得。「納得のいくスパイスカレーを提供するに当たり、スパイスを加えるタイミングなど、レシピだけでは補えない応用力を磨くために勉強した」と振り返る。グリーンカレーやマッサマンカレー、スパイスが苦手な人向けにはパラダイスアレイオリジナルの「普通のカレー」も用意。その他、スパイスカクテルなどのアルコールも提供している。
「オープンしてすぐにコロナ禍になり、1年半まともに営業ができなかったが、その期間に料理の腕をあげることができた。開店して3年だが、一年を通して店を開けられたのは2023年が初めて。来年以降は自分の技術を活用してカレーやスパイスの教室、イベント出店など未来につながっていくことがありがたい」と話す。
「今回のように、専門性の高い人間同士が集まって行うイベントも貴重な体験になった。参加してくれた人の反響もよかったので、今後につなげていけるようにクオリティーを維持して新しいことを行っていきたい」と期待を込める。
営業時間は、ランチタイム=は木曜・金曜・土曜・日曜の11時~14時、バータイム=17時~24時。