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「秩父夜祭」に延べ36万人超 清掃ボランティアが「清潔な祭り」支える

100人以上のボランティアが参加し、秩父市外からの参加者もあった

100人以上のボランティアが参加し、秩父市外からの参加者もあった

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 秩父神社(秩父市番場町)の例大祭が行われ、12月2日の宵宮、3日の大祭で計6基の屋台・笠鉾が引き回され、夜には花火が打ち上げられた。秩父市の発表によると、2日は7万5000人、3日は29万3000人、合計36万8000人の人出があった。

7月の川瀬祭りでも、清掃ボランティアが活躍した

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 秩父夜祭は300年以上の歴史があり、「日本三大曳山祭」の一つで、2016(平成28)年には「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録された秩父地域最大の祭り。昼夜にかけて6基の屋台・笠鉾を、1基あたり150人~200人が引き回し、大祭の19時30分から22時にかけて5000発の花火を打ち上げた。コロナ禍後、初めての土曜・日曜開催ということもあり、多くの人でにぎわった。

 「秩父商人仲間」代表の後藤剛久さんが、祭り会場が参加客の飲食物などから出る廃棄物で汚れていることが気になっていたことをきっかけに、同団体前身の「秩父商栄組合」時代の2015(平成27)年から、祭り会場の清掃ボランティア受付と観光案内を始めた。「清掃活動によって祭りを支え、人々や地域の安全を守る意識を養う糸口になれば」と後藤さんは話す。

 当日は祭りのメイン会場となる通り沿いにある「知々夫ブランド館」(秩父市本町)の前にテントを設け、受付を行った。受付ではごみ袋、トング、ビニール手袋などを配布し、参加者は清掃活動に熱心に取り組んだ。

 今年から、中学生や高校生には社会福祉協議会から「ボランティア証明書」を発行する取り組みもスタート。100人以上のボランティアが参加し、親子、友人、学校グループや秩父地区更生保護女性会、秩父市外からの参加者もあった。

 参加者からは「いろいろなごみの種類があるが、特にたばこの吸い殻が多いように感じる」など、ごみ拾いからの気づきもあったという。「屋台・笠鉾を引いている人たちから『掃除してくれてありがとう』と声をかけられたり、清掃をしながら祭りを楽しめたりして、祭りに参加している実感があった。次回も協力したい」という声も聞かれた。

 清掃ボランティアのメンバー、山口博子さんは「通りかかった地域外の観光客や顔なじみの方にも参加いただき、熱心に清掃してくれたボランティア参加者に感謝している。観光客からも『清潔な祭りだった』との声を頂けてうれしい」と話す。「路上のごみはどこの祭でも問題だと思うが、私たちの取り組みで祭り関係者以外の人も縁の下の力持ちとして参加でき、皆さんが気持ち良く見物できる一助になれば」とも。

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