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秩父で下刈り体験 森林の持続可能性を視野に入れ民間事業者が連携

下刈りは秩父市定峰の伐採現場で行った

下刈りは秩父市定峰の伐採現場で行った

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 木材関連事業を手がける「ウッディーコイケ」(秩父市下影森)が9月21日、秩父市定峰にある定峰神社が保有し、同社が委託管理する民有林で「下刈り体験会」を開いた。同社の取引先である「古郡ホーム」(深谷市)と同じグループ会社である「古郡建設」の社員65人が参加した。

下刈りを行う古郡グループの社員

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 ウッディーコイケと古郡ホームの取り引きは約1年半前に始まった。SDGsの観点から国産材の活用や持続可能な森づくりに重点を置く古郡ホームが、プレカット業だけでなく林業・製材業も一貫して取り組み、中長期的に森林の持続可能性に問題意識を持つウッディーコイケの経営理念に共感して取り引きが始まったという。

 下刈りを行った現場は、昨年古郡ホームの社員3人が苗木の植え付けをした場所。「植え付けから1年たち、どのような変化があるのかも実感してほしかった」とウッディーコイケの小池啓友常務は話す。当日は、秩父農林振興センターの職員が下刈りのレクチャーを行い、古郡ホームの社員が6班に分かれて約30分間、下刈りをした。ウッディーコイケの社員13人も実演した。

 下刈りは暑さの厳しい時期に行われ、林業における現場作業の中でも過酷さが際立つという。下刈りを怠ると、苗木が雑草・雑木に負けたり、つるに巻かれたり、正常に生育しなくなるリスクがある。そのため、植林から7年間は継続的な下刈りが必要となる。

 古郡建設の古郡栄一社長は「普段木材を扱っている会社として、木材が自分たちの元にたどり着くまでの過程やその過酷さを考えさせられた。林業の衰退は私たちの事業にも直結する問題。微力ながら、私たちにもできることを継続的に行っていきたい」と話す。

 小池常務は「国産材を活用している企業とはこれまでも取り引きがあった。森林の持続可能性への問題意識を持って、共にさまざまなプロジェクトに取り組んでいく機会はとてもありがたい。同じ埼玉県の民間事業者として、継続的な取り組みにしていきたい」と意気込む。

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