埼玉県選定重要遺跡に指定されている竜ヶ谷城(りゅうがやじょう、皆野町大字下田野・三沢)を取り上げたミニ企画展「皆野の城1~竜ヶ谷城~」が9月4日、始まった。皆野町役場1階ロビーに22枚のパネルを展示し、縄張り図や写真を元に山城の構造や城を守る工夫を解説している。古文書を元に竜ヶ谷城と周辺の歴史も紹介する。
竜ヶ谷城は、戦国期の大名、小田原北条氏の山城。山城とは、山の斜面に曲輪(くるわ)と呼ばれる平場を造り、堀、土塁、石積などで守りを固めた城を指す。
竜ヶ谷城は曲輪24、堀26、堀切4、土塁13が見つかっており、遺構が今も良好な状態で残っている。秩父盆地の入り口に位置しており、北条氏邦が治める鉢形領の城として、上杉謙信の関東侵攻や武田信玄の秩父侵攻という、戦国期秩父の大きな出来事にも関わった。
皆野町教育委員会の望月暁さんは「私たちの暮らしているすぐ身近に約450年前の戦国期の痕跡が残っている。私たちの先祖がそこに当時生きて、歴史を駆け抜けていったのだということに気付いてほしい。竜ヶ谷城の一部はハイキングコースになっている。当展を機に、多くの方々に訪れてもらえたら」と呼びかける。
展示は開庁時間に準じ、土日祝日休み。今月25日まで。