「さとのば大学」が企画した2泊3日のスタディーツアー「Learning Journey(ラーニング・ジャーニー)」が8月21日~23日に秩父地域で行われ、高校生・大学生の4人が参加した。
さとのば大学は「地域を旅する大学」をコンセプトに掲げる市民大学。高校卒業後の進路として「4年制コース」があり、通信制大学を併用することで大学卒業資格を取得できる。キャンパスはなく、日本各地の連携地域に暮らしながら現地で実践するプロジェクト学習と、対話型のオンライン講義で学ぶ。1年ごとに移住し、多様な地域課題に触れながら学びを深めるという。
今回のツアーは「『日本一チャレンジする町』で自分のキャリアを考える旅」がテーマ。横瀬町を中心に「秩父地域内で新しい取り組みに挑戦している事業者」を訪ねながら、参加者が自身の過去を振り返り、未来を考えるワーク・対話を行った。
21日は「Mahora稲穂山」(皆野町皆野)内で山の散策を行い、翌22日午前は「武甲山を未来に繋ぐ活動」を行う任意団体「武甲修験道」の守屋泰平さんに武甲山の歴史や活動への思いを聞き、午後は横瀬町地域おこし協力隊の赤岩亮輔さん案内の下、協力隊が中心に運営している横瀬町の地域商社「ENgaWA(えんがわ)」の取り組みを聞いた。オープン&フレンドリースペース「Area898」や同施設2階にある子ども向けのフリースペース「Area899」、「ENgaWA駅前食堂」(以上、横瀬町横瀬)や町内のブドウ園を見学した。
その後、秩父市下影森で林業・製材業を営む「ウッディーコイケ」の小池啓友常務、夜は「チャレンジキッチンENgaWA」で、今年4月から横瀬町地域おこし協力隊として東京から移住した村上悠剛さんと交流した。
23日は皆野町でアウトドアサロン(カフェ・キャンプ場・キャビン泊・バレルサウナ)の開業を目指している皆野町地域おこし協力隊の松藤裕也さんと、アウトドアフリーランスとして活動する同町出身の逸見真央さんから話を聞いた。
ツアーをコーディネートしたMahora稲穂山の中村怜生さんは「人生の正解はない中で、さまざまな人の生き方に触れることは、自分の生き方についての内省を深めるきっかけになる。ただ話を聞くだけではなく、対話することで、ゲストの方とより深く関係を築くことができた。人生のヒントが欲しいと思ったときに『またあの人に会いたい』と気軽に秩父に来てもらえたら」と話す。
参加した大学生は「秩父のいろいろな方の生き方に触れることで、自分の『こうしなければならない』という思い込みが外れた。豊かな自然のなかで自分に向き合う時間を得られて良かった」と振り返る。