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皆野中の生徒が校務のデジタル化に挑戦 教職員向け説明会に向け準備

先生の前で動作確認を行う

先生の前で動作確認を行う

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 皆野町立皆野中学校(皆野町皆野)の生徒が現在、職場体験の一環で校務のデジタル化に取り組んでいる。

作業の説明を受ける2人

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 職場体験では生徒の希望をもとに、地域の企業に生徒が出向いて実習を行っているが、7月にMAREMI(皆野)の職場体験に参加した生徒2人は学校内で実習を行った。同社はIT導入支援事業などを手がけており、生徒は教職員が毎月行っている安全点検業務をデジタル化する作業に参加し、職場体験の最終日には教職員の前で業務効率改善を提案した。

 安全点検業務は学校保健安全法で学期に1度行うよう定められているが、同校では教育環境の安全を確保するため月に1度、行っている。教室や階段やトイレなどを含む校内54カ所の点検を全て行った後、その結果を担当の教職員が54枚の紙に記入。その後、教頭と校長が一枚ずつ結果を確認して押印していた。今回のデジタル化により各点検箇所に設置されたQRコードを読み取ることで、教職員はタブレット端末などから点検実施結果をその場で送信し、結果は即時自動集計され、管理者がすぐに異常検知できるようになるという。

 2年の大澤煌太さんは「スプレッドシートに関数を設定したり、QRコードを作成したりするなど、今まで体験したことがなかった。いろいろなことに挑戦できたのがうれしい。初めての挑戦でうまくいくかどうか不安なこともあるが、先生たちの時間が効率よく短縮できるならうれしい」と話す。

 榎本光希さんは「安全点検業務をしていること自体、職場体験するまで知らなかった。ツールを作成する際の考え方を知ることができた以外にも、リモートで仕事をしているMAREMIの社員の働き方を見て、いろいろな働き方があると感じた。今後の業務に使ってもらえるよう、使い方がわからない先生にも教えていきたい」と話す。

 同社は以前にも秩父第一中学校(秩父市滝の上町)の安全点検業務のデジタル化作業を行ったことがあり、職場体験として生徒と一緒に取り組んだという。同社の坂本典明さんは「職場体験で生徒が主体となって、校内のデジタル化推進を行って提案する例はまだ少ないのでは。生徒自身が学校の業務効率化について一緒に考えながら作業を行うことで、先生がどういう仕事をしているのかを知るきっかけにつながった以外にも、作業を行っているうちに自発的に質問をするようになったり、最終日には昼休みの時間も惜しんで仕事に取り組もうとしたりするなど、初日と比べて大きな変化があったのが印象的だった。3日間の職場体験でも達成感も大きかったのでは」と振り返る。

 2年の担任を務める宮原史明教諭は「2人とも日頃の授業では余力を残しているように見えるタイプだったが、職場体験期間はいつもとは違った鋭い目つきをして新たな一面を見ることができた。学校業務のデジタル化に向け、説明会も頑張ってほしい」と話す。

大澤さんと榎本さんは夏休み明けの実務化に向け、教職員への説明会に向けた準備に取り組んでいる。

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